Design Hotel Guide デザインホテルガイド Vol.4

The Warehouse Hotel シンガポール

世界のデザインホテルを独自の視点によるリサーチとエッセイ:
The Warehouse Hotel シンガポール

1.16, 2019

founder of artless Inc. / branding director / art director / curator :川上 シュン
  • art&culture
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先日、香港の後に、友人でもあるシンガポールのデザイン会社「Asylum」 がインテリアデザインやアートディレクションをしたホテルが、シンガポールにオープンしていたので、寄り道してから帰国しました。

 

シンガポール川沿いのロバートソン・キー地区に新しいブティックホテル。The Warehouse Hotel。1895年に倉庫として建てられた歴史ある建物をリノベーションしてホテルに。グローバル的には、もう倉庫を改造したホテルと言っただけでは、特に新鮮に感じないかもしれませんが、しかしながら、ゴーダウンと呼ばれる倉庫の建物は、廃れた都会の工業空間とは大きく異なる存在。

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歴史と伝統あるこれらの建物を丁寧に修復・改造したのは、シンガポールの建築事務所 Zarch Collaboratives。そして、都会的でモダンかつ、歴史をさりげなく匂わせる内装やグラフィックデザインを手がけたのはシンガポールのデザイン会社、Asylum。

 

築100年の建物の枠にしっくりと溶け込んだ客室はモダンな雰囲気。総客室数37室の小規模なホテルですが部屋タイプはバラエティに富んでいて、リバービュー(34sqm)、ウェアハウスロフト(27sqm)、リバービュースイート(57sqm)など全6カテゴリー。ほとんどがロフトスタイルのデザインになっているのは、建物の三角屋根構造を活用している。スマートでミニマル、元からあった窓や梁といった伝統的な素材をうまく残し深みのある空間デザインとしている。ピロートップのマットレスやWiFi、B&O のサウンドシステムに、バスアメニティはニュージーランドのAshley & Co製で統一、グローバルトレンドや、世界のデザイナーズホテルにおける必需品をしっかりとセレクトしているあたりは、世界視点をスタンダードとするシンガポール。日本に足りないグローバルスタンダードなセンスを感じる。

 

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そして、エントランスのパブリックスペースが素晴らしく、ラウンジ、バー、プライベートダイニング、シンガポール内の話題のレストランやバーを多数手がけてきたLo & Behold Groupが共同経営を行なっているとあって、屋上のプールや館内レストラン「Po」。

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シンガポールは、言語的にも英語ベースであり小国なだけに常にグローバルマーケットでの仕事をしている。この感覚は、今のアジア全ての都市から同じ価値観を感じます。香港、バンコク、クアラルンプール、上海、鄭州、蘇州、杭州、、、アジアすべての都市がグローバル視点でアップデートされている。このホテルの滞在によりシンガポールのデザインが、今後、より世界で活躍するであろう予感し、また、日本のグローバルトレンドから取り残されているような問題意識も同時に感じさせてくれた有意義な滞在でした。

 


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Profile

  • 川上 シュンfounder of artless Inc. / branding director / art director / curator

    独学でデザインおよびアートを学び、2001年、ブランディングエージェンシー artless Inc. を設立。ブランディングやデザインコンサルティングを中心に、ロゴやV.I.構築、グラフィック、サイネージ、ウェブ、そして、建築、インテリア、アートキュレーションに至る、包括的なアートディレクションを行う。東京と京都を拠点にグローバルな活動を行なっている。