Hey!凡な日々 Vol.1

僕なりの「URBAN」
原宿で垣間見た生活感。

12.10, 2018

ハガキ職人:落合のダッチワイフ
  • essay
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初めまして。落合のダッチワイフと申します。
この度、「URBAN TUBE」にてコラムを書かせていただける事になりました。
お話をもらった時は、正直書けるかなと不安な気持ちで一杯でしたが、せっかくのご縁という事や、何よりもお声をかけていただけた事が嬉しくて、「やらせていただきます。」と二つ返事でお答えしました。

 

何故不安で一杯かというと、僕に一切の「URBAN的要素」がないからです。
僕の経歴としては、学生時代は外にも出ずラジオ投稿に勤しむ毎日を送り、大学を卒業し職に就いては、「お笑いがやりたい」というフワっとした理由で二ヶ月で退職をし、コンビニでバイトをしながら現在に至るといった感じです。
芸人を目指してるというのは耳障りの良い前口上のようなもので、蓋を開けたら日々生活するために必死なフリーターです。
この数行でいかに僕がURBANと対極した所にいるのかがお分かりいただけたかと思います。

ただ受けた限りいつまでもそんな事を言っていても仕方がないので、僕は何を書こうかと日々頭を悩ませていました。
スタッフの方に「書けそうですか?」と聞かれた時、間を空け少し低めのトーンで「・・・逆に書いちゃいけない事とかってあります?(全部書けますけど。的な)」だなんて言ってしまい、何故カッコつけたんだろう?何故地声で言わなかったのだろう?など今になって悔いが残る次第。
時間が経てば経つほど、編集部からの僕への期待値が上がっているのではないかと不安になるも、やはり何も書くことが見当たらない。
ずっと家にいたので、他のライターさんのように洒落た場所やファッション等を全く知らないのだ。

そんな僕は今日人生でほぼ初の原宿に行った。

 

理由はシャムキャッツというバンドが開催しているPOP UP SHOPで新しいアルバムを買うためだ。「POP UP SHOP」という単語はどうだろう?
些か「URBAN」じゃなかろうか。
慣れない街にドキドキしながらお目当の店に向かっていると、携帯が鳴った。
「コラムの方のご進捗は?」という旨のスタッフさんからのメールだった。
「進んでます!今取材も兼ねて原宿に来ちゃってます〜。」
なんて調子の良い返事をうっかりしてしまったのが、今となっては間違いだったのかもしれない。
「え!そうなんですか?勤務地、原宿なんですよ。撮影行きましょうか?」
と言っていただき、調子の良さが取り柄の僕は「宜しくお願い致します!!」だなんて返事をしてしまった。

 

そして5分後、本当にカメラマンさんが来てくださった。
簡単な挨拶を済ませると、どのようなコラムでどこを撮影するのか?という質問をされた。どのようなコラムでどこで撮影するかが一切決まっていない僕は、
まあまあまあそう焦りなさんな的な態度で茶を濁し、まずはコンビニでコーヒーでも飲みますかとカメラマンをコンビニに誘導した。

 

何とか話を逸らせたと安堵していたのも束の間、「どこで撮るか」という話題から逃げ切れる訳もなかったので、脳内の「原宿」に関するありとあらゆる情報を引き出し、精査した結果「代々木公園ですね。」と言った。
ベタ過ぎて引いてしまった可能性もあるので、
「いやあ、原宿ってある意味ベタっちゃベタじゃないですか?だかこそ今書くっていうのは大事だと思うんですよね。今はまだ構想の段階なので、コラムの内容は言葉に出来ないんです。というよりも、撮影して頂いた写真から更にイメージを膨らませて、言葉にしていこうかなって。そうゆうことですね。」みたいな事を言っておいた。

 

こうして無計画な僕とカメラマンとでの、原宿探訪が始まってしまったのだ。
歩きながら何か閃くのではないか?という期待を胸に秘め代々木公園に着いたのだが、着いた瞬間に「書くことがないな。」と思った。
カメラマンが「何を撮りましょう?」といった感じだったので、「景色を。」とざっくり返し園内を歩き回った。

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「噴水が近くにありますよ。」と教えてくれたので見に行ってみたら、昼休憩が終わる間際にデスクに突っ伏しているOLを想起させるかのような、うな垂れた噴水がチョボチョボ出ていて、少し癒された。
その先に立派な噴水があったのだが、それには「ああ。噴水だな。」と思っただけだった。申し訳程度に噴している噴水の方が僕は好みだ。
カメラマンとベンチに座り世間話をしていると、僕にも余裕が出てきたのか少し周りが見えてきた。
この時間帯は平日という事もあり、多くの人が出勤している。
なので今この公園にいる人は、大学生、休日の人、定年後の老夫婦と言った人が多い印象を受けた。
公園の面白い所は「日課」として使う人が多いという所だと思う。
ジョギングや犬の散歩など目的は人それぞれだが、彼らにとってはこの公園が生活の一部となっているのが、見ていて何となく分かる。
特に感動はしている訳ではないが、満足はしていると言った表情を浮かべているように見えるのだ。
とある休日にコーヒーを一杯入れたり、目玉焼きを作るだけで「いい時間だなあ。」と思える日がある。
そんな時間をここの人達は過ごしているように見えた。
オフィスビルに囲まれているこの原宿で、代々木公園は唯一時間が止まっているみたいだった。

 

ベンチから腰を上げ、カメラマンに「いやあ。代々木公園。いいですね。次々浮かんできましたよ。」だなんて適当な事を言い、「次は竹下通りに向かいましょう。」と告げた。
僕は代々木公園と竹下通り、その二つしか知らないのだ。

竹下通りは僕のイメージ通りだった。
特筆する事もないなとも思ったのだが、カメラマンの手前そうも言ってられないので、ひとまず歩いてみる事にした。
奇抜な格好をした人がたくさんいたり、網膜に張り付くような蛍光色の食べ物が売っていた。
この一本道だけ別世界のようだった。
この道を出れば個性的な人達なのだろうが、この道であれば無地の服を着た25歳フリーターの僕の方が個性的なのではないかと思った。
であれば「人と違う」というのは分母の数の問題なのかと考えたのが、その思考は、ついつい味覚が機能してしまいそうな程の甘いクレープの匂いで遮られてしまった。
ここにいる人達とは友達になれなそうだなと思いながらも、皆僕と同じような「職場」「学校」「生活」の悩みとかあるのだろうなと考えたら、この空間はそういったものから逸脱していて、いいなと思った。
歩行者のほとんどが笑っていたのだが印象的だった。

 

「ありがとうございました。いいコラムが書けそうなので期待していて下さい。」とカメラマンに別れを告げ、帰宅し、一回寝て起きて現在に至る。
書くことがやっぱりない。どうしたものだろうか。
そうゆえば一つだけ思ったのは、都会的な要素がない僕だからこそ、もっと外からの目線でURBANな「コト・モノ・ヒト」を対象に書けるのではないかという事だ。
まあ、今回は無理だったので誠に遺憾ではあります。

 

もしこの原稿が皆様の目に触れていたとしたら、それは通ったという事なのでしょう。であれば、今後とも皆様宜しくお願い致します。
届くといいな〜。

 


 

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Profile

  • 落合のダッチワイフハガキ職人

    「お笑い芸人になりたい」と思い、新卒2ヶ月で勤めていた銀行を退社。
    プールサイドというコンビ名で活動中。
    毎週日曜21時からインターネットラジオ「プールサイドの25Mラジオ」を生放送中。趣味はラジオ投稿。
    現在はコンビニでバイトをしながら。日々の生活を楽しんでいる。