いいもの ほしいもの Vol.1

繕うからこそ生まれる『金継ぎのうつわ』

全国各地のものづくりをプロデュースする中で、見つけたいいものとほしいもの、あとちょっとしたことなど。

4.11, 2018

永田 宙郷
  • art&culture
  • essay
Share on

金継ぎ工房をはじめました

一昨年、仕事と趣味が絡みにからみあって、京都のホテルの一角に経験豊かな漆芸職人3人を雇い、金継ぎ工房をつくることになった。『金継工房リウム』と名付けた工房は、関係者の尽力もあって、月イチで東京でも金継ぎのお直しの相談会の開催などもおこなう、いっぱしの工房になってきた。

工房はガラス張りにして、いつでも見学できるようになっています

はじめての金継ぎを頼める工房になる

みんな大切にしていた器が割れるたびに悲しそうな顔をするし、それが直してまた使えるならば直したいと願っていることも分かってはいた。しかし、なかなか「金継ぎ」を依頼するには至らない。それはきっと、誰に頼んでいいかも分からなかったし、きっと手を掛ける以上は高価な器でなくてはならないと思っていたし、職人技となると幾ら位かかるかも知らなかったし、割れた瞬間は破片となった器をみてガッカリでそれどころではなかったりして、金継ぎを相談しようとまで頭が回らなかったからなのだと思う。

 

いろんな器をお預かりしてお直しを引き受けています

気楽に気軽なところから

 

だからこそ、どうやったら気軽に金継ぎを相談できのかを考えた。費用に関してはちょっとしたこだわりの器を買い直す程度で直せるものも多く、職人もちゃんとプロの仕事を発揮できる現場であり、意外と金継ぎは気軽にトライできるものだぞと理解でき、別に高級な器や、由来由縁があるものでなくとも、マグカップだって、キャラクターものだって、買い換えるか永く大切にしたいか気持が揺れる器なら、金継ぎしてしまえばいいって胸をはって言える。

そのためにも、自分自身が不明であった、幾ら位掛かるのかとか、どんな直し方があるのかなど、依頼した経験がない人でも分かり易い様に、サンプルを準備し、見積にもルールを作り、工程を職人が語れるように説明をまとめた。技術を守るために漆継ぎを進める一方で、直したいという気持ちに応えるべく多くの接着剤と漆の相性も調べ上げた。自他ともに気軽に相談しやすい仕組みを探れたと思っている。

器によっては金ではなく、銀での仕上げも似合います

金継ぎでうつわを直す

姿を戻す修復でも、機能を戻す修繕でもなく、新しいストーリーを生み出す<繕い>の楽しさは一度知ると戻れない。そのくらい、金継ぎは面白いし、金継ぎされた器には独特の魅力がある。

 

もしも、器が割れたりしたら<金継工房リウム>のサイトにアクセスするなり、ご一報をください。単に使えるように直すというよりも、新しい器を手にした時のようなワクワクする気持ちでもって、思い出や生活に馴染んでいる器を再度、たのしむことのできる素敵な仕上がりになるように、金継工房リウムの職人たちが頑張らせてもらいますので、まずは気軽なところからはじめましょう。

Profile

  • 永田 宙郷

    「ものづくりをつくる」をコンセプトにデザインディレクターとして新旧のものづくりに異なる視点を付け加える仕事をやってます。花火の打ち上げ師や大学教授もしています。

Information

  • 金継工房リウム

    〒600-8176 京都府京都市下京区北町190 ホテルカンラ京都1F

    営業時間 : 10:00〜17:00(毎週月休・年末年始休/昼に1時間程度休憩有り)

    URL:https://kintsugi-rium.jp