ジャパニーズ・ソウル #008

トーキョーの街にくらすシティポップ・ジプシーたちへ

古今東西、日本に存在するさまざまな"日本人の、日本人による、日本人のための"ソウル・ミュージックを、新旧問わず、オシャレかつアカデミックにご紹介。今週はコチラ!

6.1, 2018

BonVoyage:カネコ ヒデシ
  • music
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アーティスト:G.RINA

タイトル:東京のジプシー
レーベル:エンジェルズ・エッグ/3ds co., ltd.

発売年:2005年
価格:時価

 

 

 

 

 

作詞や作曲、演奏、ヴォーカル、そしてプログラミングまでをおこなう、いまやトーキョーを代表するマルチトラックメイカーのG.RINA。

 

 

コチラは、彼女が2005年にリリースした2ndアルバム『漂流上手』からの、「東京(みやこ)のジプシー」の7インチシングルカット盤。

 

 

“東京”と書いて”みやこ”と読む。

“本気”と書いて”マジ”と読む、、、みたいな。。。

 

 

まずは、アルバムにも収録されているオリジナルヴァージョンのA面。

 

G.RINAのカラダに浸透するハスキーなヴォイスにココロを惹きこまれるメロディ、ハネながらはしるビート、そしてあふれんばかりの哀愁感あるホーン。

 

とにかくすべてがステキすぎ!

 

ホーンセクションには、無国籍音楽バンドのDouble Famousが参加。

 

カレらによる極上のホーン”さばき”によって、よろしく哀愁感が120%ほど引き上げられているコトはまちがいないだろう。

 

チンドン屋感もありつつのラテン感もあり、中東感もあり、、、と、聴いているとまったくもってドコの国にいるのかわからなくなるこの無国籍的サウンドジャーニーがたまらない。

 

セツナすぎてオシャレ、にぎやかなのにちょっとサビしい、そんなグッドジプシー歌謡なのだ。

 

 

そしてB面には、同曲をアコースティックギターとピアノで超メロウにカヴァーした、“メトロポリタンスパゲティーニ”なるアルバム未収録ヴァージョンを収録。

 

A面のオリジナルヴァージョンとは対照的に、にぎやかさはまったくのゼロ。

 

かなりシットリとしたレイドバック、というかかなりコアなブラジリアンっぽいサウダージフィーリング。

 

 

しかし、いちばんのポイントは、トーキョー生まれトーキョー育ちの彼女による、都会の落とし穴的な、いわゆるのトーキョー砂漠感をうたった、ワビしさとサビしさあふれる歌詞が、ワレワレのココロを共鳴させるという点だろう。

 

いまかんがえると、当時はそれほど社会問題にもなっていなかった社会に居場所のない、もしくはつくれない、まさに都会のジプシー的存在の若者たち。

 

おそらく、彼女自身も当時はそれにちかい存在だったのかもしれないし、そんなリアルな体験からこの詞が生まれたのではないだろうか。

 

ちなみに、ナニをかくそうワタクシも当時はそんな存在のひとり。

だから、彼女の詞がダブサウンドの低音のごとく、ココロにビリビリとひびくのかなと。。。

 

 

それにしてもスバらしいのは、リリースから13年ほど経っているのに、いま聴いてもあたらしさを感じる、まったくイロあせていないサウンドクオリティ。

 

 

コレがまちがいなく2000年代を代表する、トーキョージプシー歌謡なのでアール。


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Profile

  • カネコ ヒデシBonVoyage

    編集プロダクション"BonVoyage"主宰、社会派カルチャーなWEBマガジン『TYO magazine/トーキョーマガジン』発行人、ニッポンのちょっといい音楽を紹介するプロジェクト『Japanese Soul』主宰。
    WEB、紙、空間など、さまざまなメディアを使用して時代を編集する。
    毎月第三金曜日に渋谷「NIGHTFLY」にて、DJイベント『Japanese Soulナイト』を開催中!
    ・TYO magazine/トーキョーマガジン:http://tyo-m.jp/
    ・Japanese Soul:http://japanesesoul.jp/