ジャパニーズ・ソウル #013

コレがニッポン最古!?のラヴァーズ・ロック歌謡だ!

古今東西、日本に存在するさまざまな"日本人の、日本人による、日本人のための"ソウル・ミュージックを、新旧問わず、オシャレかつアカデミックにご紹介。今週はコチラ!

7.4, 2018

BonVoyage:カネコ ヒデシ
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アーティスト:テレサ野田
タイトル:トロピカル ラブ(7”)
レーベル: FOR LIFE
発売年:1979年
価格:時価

 

 

 

80年代のレゲエブームに先がけ、レゲエビートをニッポンの歌謡曲にいち早くとりいれたのがコチラ!

 

沖縄県出身のセクシー女優としても名をはせた、テレサ野田による「トロピカル ラブ」。

伝説のテレビ番組『11PM』ファンにとっては、西園寺環という名前の方がおなじみカモ。

 

 

いまでは、フツーのモノゴトとなってしまっているレゲエビートだが、コイツをドコのダレよりもはやく歌謡曲にとりいれた、まさに金字塔ともいうべきいちまい。

 

プロデュースは、作詞に安井かずみ、作曲にトノバンこと加藤和彦によるシティポップスコンビで、編曲には坂本龍一が参加。

 

 

時代背景的なモノを簡単に説明すると、制作当時はまだボブ・マーリーの来日公演などもなく、レゲエカルチャー自体の情報も、もちろんサウンド・システムなんていう言葉すらままならぬ時代。

 

そんななか、ジャマイカへわたり、名門「ダイナミック・サウンズ・スタジオ」にて、当時のソウル/レゲエの最高のメンバーとともにこの曲を収録したという、、、それを聞いただけで鳥肌モノのスゴいハナシ。

 

 

ちなみに、日本の歌謡シーンにレゲエのトロピカル旋風を吹きこませて、80年代シーンへと浸透させていったと言われているのがこの加藤和彦や細野晴臣ひきいるYMO一派、鈴木慶一、吉田拓郎、そしてサザンの桑田圭祐など。

カレらが、レゲエビートを取り入れた楽曲を発表していったコトで、レゲエというサウンドとカルチャーがニッポンに定着していったワケだが、じつはそのほとんどが80年代以降。

 

アレ!このシングルのリリースは79年。というコトは、おそらく、、、いやまつがいなくコレがニッポン最古(!?)のラヴァーズ・ロック歌謡ではないかと。

 

もちろん、レゲエのカヴァーものは別として、日本語でのオリジナル曲でという意味でのハナシだが。。。

 

 

そんなこんなで、この「トロピカル ラブ」。

 

まずは、ドラムブレイクからはじまるイントロに腰を砕かれ、からの〜、うつくしいオーケストレーションとコーラスで1回目のダウンをうばわれる。ココだけ聴くと単なるソウルミュージックそのモノなのだが、すかさずそこからレゲエビートに変調しAメロへ。

 

間奏部分には、波の音のSEなんかもはいってきて、とにかくあふれんばかりのグッド トロピカルフィーリング!

 

ビート自体はレゲエ調ではあるが、ウワモノ的にはソウルミュージックの要素がいい感じのバランスで融合されているという、ソウル好きの日本人にあわせた究極のラヴァーズ・ロック。

 

 

そして、コチラもレゲエビートを使用したサウンドの「イエロームーン」。

なのだが、テレサ野田のエロすぎるささやき系ヴォーカルに、メロウなビートグルーヴがなんとなくSylviaの「Pillow Talk」感を感じるのはワタクシだけだろうか。

この時代、ジャズもそうだが、こと音楽においては“エロい”というのがひとつのキーワードだろう。

 

 

トにもカクにも、この曲がなければ、いまのニッポンにレゲエシーンはなかったのカモ!というくらい、まごうかたなき最重要サウンドなのでアール。



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Profile

  • カネコ ヒデシBonVoyage

    編集プロダクション"BonVoyage"主宰、社会派カルチャーなWEBマガジン『TYO magazine/トーキョーマガジン』発行人、ニッポンのちょっといい音楽を紹介するプロジェクト『Japanese Soul』主宰。
    WEB、紙、空間など、さまざまなメディアを使用して時代を編集する。
    毎月第三金曜日に渋谷「NIGHTFLY」にて、DJイベント『Japanese Soulナイト』を開催中!
    ・TYO magazine/トーキョーマガジン:http://tyo-m.jp/
    ・Japanese Soul:http://japanesesoul.jp/