ジャパニーズ・ソウル #022

みじかくもうつくしく燃え散った、昭和歌謡の女王

古今東西、日本に存在するさまざまな"日本人の、日本人による、日本人のための"ソウル・ミュージックを、新旧問わず、オシャレかつアカデミックにご紹介。今回はコチラ!

10.16, 2018

BonVoyage:カネコ ヒデシ
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イキでイナセな渚ようこのヨコハマサウンドが全開!

アーティスト:渚ようこ

タイトル:Yoko Elegance 渚ようこの華麗なる世界
レーベル: (株)徳間ジャパンコミュニケーションズ
発売年:2002年
価格:¥1,905(税抜)

 

・トラックリスト
01. シャム猫を抱いて
02. ビューティフル・ヨコハマ
03. アイキャッチ1
04. この胸のときめきを
05. ニュー・トーキョー
06. 第三京浜
07. ご挨拶
08. シャム猫を抱いて(Karaoke)
09. ビューティフル・ヨコハマ(Karaoke)
10. この胸のときめきを(Karaoke)
11. ニュー・トーキョー(Karaoke)
12. 第三京浜(Karaoke)
13. アイキャッチ2

 

その徹底した世界観に、コアな歌謡ファンがくらいつき、そして愛した平成の昭和歌謡歌手、渚ようこ。

 

 

惜しくも、2018年9月28日に心不全のため急死してしまった彼女。

今回は、そんな渚ようこのイキでイナセな昭和サウンド2まいをご紹介しよう。

 

 

まずは、2002年にクレイジーケンバンド(以下、CKB)が全面プロデュースしたアルバム『Yoko Elegance 渚ようこの華麗なる世界』。

 

歌謡や演歌など、いわゆるの昭和歌謡と呼ばれる分野のカヴァーとアレンジが中心だった彼女だが、今作ではいままでの雰囲気からガラ〜リと変化。

 

 

歌い方もあまりコブシをまわさないポップテイストなボーカルにし、サウンドにもジャズやポップスの要素をふんだんにおりまぜたアレンジとなっている。タイトルどおり、まさに彼女のエレガンスさが引き立った作品なのだ。

 

 

アルバムのつくり方も、ちょっとオモシロい。

 

サンバ調アレンジの浅丘ルリ子の「シャム猫を抱いて」のカヴァーからはじまり、平山みきの「ビューティフル・ヨコハマ」。サウンドロゴ的な「アイキャッチ1」をはさみつつの、ダスティ・スプリングフィールドのイタリア語歌詞がオリジナルで、エルヴィス・プレスリーが英語カヴァー、さらに前野曜子をはじめ、尾崎紀世彦や布施明なども日本語でカヴァーした昭和の大名曲「この胸のときめきを」と、前半3曲は完全カヴァー特集。

 

そして、4曲目にはオリジナル曲「ニュー・トーキョー」を収録。

この曲、あふれんばかりのビックバンドジャズ感が、かなりオシャレすぎて超おススメ!昭和と平成、ふたつの時代の夜のトーキョーが目に浮かぶ、、、まさにおニューなトーキョー感がタップリ。

 

最後はCKBの「第三京浜」をカヴァー。

からの〜、彼女の「ご挨拶」なるトラックで、彼女からこのコンパクトディスクを買ったヒトへのメッセージが! 後半にはカラオケが収録されいるのだが、スナックやカラオケボックスなどで渚ようこの歌を「アナタにうたってほしい!」という練習用??
カラオケカルチャーと直結しているトーキョーミュージックカルチャーならではの、なんともイキな配慮のアルバム構成。

 

ちなみに、最後の最後に収録されている、CKB横山剣が参加したサウンドロゴ「アイキャッチ2」がかなり笑える(笑)。

 

 

そんなワケで、若干コアすぎた彼女の雰囲気から、ポップアーティストとしてのスタンスを確立させた、まさにターニングポイント的アルバム!

 

そして、彼女の人気を不動のモノとしたアルバムといっても、過言ではないのでアール。

渚ようこの神髄!平成最後の昭和歌謡歌手が遺した曲

アーティスト:渚ようこ
タイトル:渚のズンドコ節
レーベル: VIVID SOUND
発売年:2018年10月24日
価格:¥1,500(税抜)

 

・トラックリスト
A面 渚のズンドコ節
B面 女のみち

 

つづいては、彼女がホントーの最後に遺した音源を!

 

 

『渚ストラット』以来、約2年ぶりとなる新作が、じつはコレからリリースというタイミングだった、渚ようこ。

 

そんなワケで、新作はA面に「渚のズンドコ節」、B面に「女のみち」の2曲を収録した7インチレコードなのでアル!

 

 

さて、A面の「渚のズンドコ節」。

“ズンドコ節”というコトバがつくだけあって、ザ・ドリフターズや小林旭、氷川きよしをはじめとする芸能スターたち、そしてさまざまな替え歌などが存在しすぎて、もうドレがオリジナルで、ドレがカヴァーなのかすらわからない状況となっている、ほぼほぼニッポンの伝統芸能(笑)?にちかいアノ曲でアル。

それを、今回はCKB横山剣が渚ようこバージョンとして作詞したモノ。

原曲は1937年に藤山一郎が歌われた「銀座八丁」(テイチク)とされているが、すこしメロディがちがうような。。。また、第二次大戦の戦時中に兵隊節としてうたわれていた「海軍小唄」が、もっともいまのカタチにちかいのカモ。

さらに、この「海軍小唄」を、敗戦後すぐに昭和を代表するギタリスト&歌手のバタヤンこと田端義夫が“ズンドコ節”というタイトルにしてうたったとか。。。

そこから約80年という長い年月へとつづく、ニッポンの”ズンドコ節”街道というワケだ。まさに、ニッポン人のココロともいうべき曲を、今作で渚ようこがなぎさ節全開であらためてニッポン人に再提案したといっていいだろう。

 

 

B面の「女のみち」は、いわずもがな、ぴんからトリオの大ヒットナムバー。

彼女が最後の最後に遺した曲が「女のみち」とは、彼女らしい。

 

 

コレが、まさに”女のみち”を貫いて生きた女の最後のメッセージなのでアール。

 

 

 

年齢を公表していないながらも、おそらくまちがいなく若くして亡くなってしまった彼女。

 

類いまれなる才能の持ち主だっただけに、残念すぎてならない。。。

 

ココロよりご冥福をお祈りする。


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Profile

  • カネコ ヒデシBonVoyage

    編集プロダクション"BonVoyage"主宰、社会派カルチャーなWEBマガジン『TYO magazine/トーキョーマガジン』発行人、ニッポンのちょっといい音楽を紹介するプロジェクト『Japanese Soul』主宰。
    WEB、紙、空間など、さまざまなメディアを使用して時代を編集する。
    毎月第三金曜日に渋谷「NIGHTFLY」にて、DJイベント『Japanese Soulナイト』を開催中!
    ・TYO magazine/トーキョーマガジン:http://tyo-m.jp/
    ・Japanese Soul:http://japanesesoul.jp/