ジャパニーズ・ソウル #023

ココロもカラダもアツくする!不滅のファンクグルーヴ

古今東西、日本に存在するさまざまな"日本人の、日本人による、日本人のための"ソウル・ミュージックを、新旧問わず、オシャレかつアカデミックにご紹介。今回はコチラ!

10.30, 2018

BonVoyage:カネコ ヒデシ
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ジャパニーズファンクのオリジネーター!ヘイ・ユー!

アーティスト:左とん平

タイトル:とん平のヘイ・ユウ・ブルース

レーベル:トリオレコード

発売年:1973年

価格:時価

 

・トラックリスト

A面:とん平のヘイ・ユウ・ブルース

B面:東京っていい街だな

 

 

秋ふかし、、、夜が長くなり、ジョジョに肌寒く、ヒトハダ恋しい季節となりはじめた今日このゴロ。

 

今回は、そんなアナタのココロもカラダもホッツにグツグツ煮えたぎるまでグッとアツくしてくれる、ニッポンのファンクグルーヴ2枚をご紹介しよう。

 

 

コチラは、俳優&コメディアンとして活躍していた左とん平が、1973年にリリースした「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」。

 

 

プロデューサーにはミッキー・カーティス、ベースに岡沢章、そしてドラムに村上”ポンタ”秀一、さらに編曲に深町純と、、、当時、あまりにもトガりすぎていたミュージックマンたちが集結。

本場アメリカにも負けずとも劣らない、むしろちょい勝ちくらいのファンクサウンドを展開。

 

注目は、左とん平によるキレッキレのシャウトだろう。

 

ちなみに、本人も”ブルース”と歌詞では語られているが、個人的にはジェームズ・ブラウンに匹敵するくらいのファンクかと。まあ当時、ファンクという言葉ではなく、こういうサウンドがリズム&ブルースと呼ばれていたからというコトなんだろうケド。

 

 

そして、ポエトリーリーディング?いやポエトリーシャウトといっても過言ではないこの歌詞は、ニッポンのヴォードヴィルシーンのオリジネーター、トニー谷の「アナタのお名前ナンてーの?」の英語版?ギャグ??といわれている。

 

しかし、よくよく歌詞を聴いていると、答えのない自問自答をくりかえすという、ほぼほぼ禅問答ダネ。
本人のキャラクターふくめつつ、コレがホントのファンクなのかもしれない。

 

 

当時、歌謡シーンに突如あらわれ、ハヤブサのようにすばやく消え去った、このニッポンオリジナルのファンクグルーヴ。

 

一部のコアな音楽ファン、もしくはコアな左とん平ファンにのみに受け入れられたが、残念ながらNHKの国民的歌番組である「紅白歌合戦」にも出場できなかった、、、というか、あまり売れなかったというのが正解だろう。

 

しかし、80年代のバブル時代に入り、ディスコやクラブカルチャーが流行りはじめ、ブラック・コンテンポラリー、、いわゆるブラコンが日本人のミュージックシーンにも定着。

おそらく、もともと日本人のココロのなかにあったソウル&ファンクなグルーヴ魂が栄養分となり、スクスクと育ちはじめ、90年代で成熟。

 

そういう流れで90年代に、ダンスミュージックカルチャーからのブラコンシーンが、いまでいう大炎上となったのだ。

 

当時の音楽シーンといえば、アシッド・ジャズやFree Soulなどのソウルやファンク的なサウンドが人気グルーヴとなり、そこからのドリカムの西川美和やMISAなど、ソウルミュージックをオマージュしているような、歌い上げ系アーティストが大活躍した時代でアル。

 

そんななか、ラップグループとして活動をはじめていたスチャダラパーが、90年にリリースしたアルバム『スチャダラ大作戦』に収録された「スチャダラパーのテーマ PT.2」にてこの「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」をサンプリング。

 

そこからのまさかの再評価!という、スゴすぎる展開。

 

気がつくと高値のつく伝説の盤となったという、まさに”いわくつき”と言っては怒られるカモだが、そんな感じだろう。

 

 

ウンチクがムダに長くなってしまってアレだが、トにもカクにもとん平のキレッキレのシャウトとグルーヴィーなファンクサウンドが、アナタのココロに火をつけるいちまいなのでアール。

不器用なオトコ達のリアルとロマン感じる重い思い出!

アーティスト:思い出野郎Aチーム

タイトル:夜のすべて

レーベル: カクバリズム(DDCK-1051/KAKU091)

発売年:2018年8月23日

価格(CD/LP):¥1,500/3,000(税抜)

 

・トラックリスト
01. ダンスに間に合う
02. アホな友達
03. 夜のすべて
04. 生活リズム
05. 早退
06. フラットなフロア
07. Magic Number
08. 彼女のダンス
09. 大切な朝
10. 月曜日

 

つづいては、70年代の左とん平からの、脈々とつづく不滅のファンク道に、たぶんまちがって入ってしまったオトコ汁たっぷりなファーンクサウンドを。

 

 

リアルとロマンを深追いし、そんな思いがドロっと煮こごり的に煮詰まった、さわやかさゼロカロリーの不器用なオトコ8人による、オトコのなかのオトコ、オトコ臭すぎる大所帯ソウルバンド、思い出野郎Aチーム。

 

そんなに大所帯ではないカモだが、オトコだらけ8人もあつまると、ムワっというアツがね、アツが。。

 

 

コチラは、彼らの重い想い、いや思い出がギュギュッと凝縮&濃縮された、渾身のセカンドアルバム。

 

 

ライブでは、ギターのサイトウくんこと斎藤録音が、途中、チューニングをまちがえるという、お決まり?のパフォーマンスがあったりと、完全ギャグ軍団化しはじめている彼ら。

 

そもそも、ニッポンのソウル&ファンク系バンドは、ビジーフォーはじめ、コミック・バンド化が多いような気も。。。

 

しかし、この音源には残念ながらそのパフォーマンスは収録されていないので、あしからず。

 

 

おススメは、リード曲「ダンスに間に合う」。

やまだかつて、こんなにもココロにうったえるサウンドが彼らにあっただろうか、、、いやあったかもしれないが、ナイかもしれない。夜を生きぬいてきた強者たちに贈る、グッドグルーヴ。

 

 

そして、おそろしいホドのアーバンボッサ感丸だしのリズムに乗って、生活リズムをくずしまくりの彼らがうたう、「生活リズム」。

サウダージ、、、というよりは退廃的。この年齢になると、ナゼかムダにムネにグサッとぶっ刺さる現代詩。

 

 

そんなワケで、いちまいまるまる、イイ意味でも、ワルい意味でも、夜のニオイしかしない本アルバム(笑)。

 

思い出だけがそっとのこされる、思い出野郎Aチームのサウンド。

 

 

コレが、ヒトハダ恋しい季節の長い夜を、ほんわか、、、いやグツグツ煮えたぎるまでアツくしてくれる、ヤケドするほどアツいファンクグルーヴなのでアール。


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Profile

  • カネコ ヒデシBonVoyage

    編集プロダクション"BonVoyage"主宰、社会派カルチャーなWEBマガジン『TYO magazine/トーキョーマガジン』発行人、ニッポンのちょっといい音楽を紹介するプロジェクト『Japanese Soul』主宰。
    WEB、紙、空間など、さまざまなメディアを使用して時代を編集する。
    毎月第三金曜日に渋谷「NIGHTFLY」にて、DJイベント『Japanese Soulナイト』を開催中!
    ・TYO magazine/トーキョーマガジン:http://tyo-m.jp/
    ・Japanese Soul:http://japanesesoul.jp/