〜崩れながら確立されるアイデンティティを楽しむ。〜

(世界を周れば、頭もユルユル)

11.9, 2018

美容師/LIM統括ディレクター:KANTARO
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9月末から10月末にかけて、あちらこちらと世界の色んな都市を飛び回った。

 

上海、シンガポール、ロンドン、東京、台北、大阪。

 

全ての都市を周るには、30日間では足りないほどに、本当に目まぐるしく飛びまわった。

 

まずはじめに、9月末に中国は上海へ。

今回の目的は念願の会社設立である。

 

ここにたどり着くまでに4年近くかかったが、どうにかやっとのことで、会社を設立することが出来そうだ。

 

何故にここまで時間がかかってしまったのか??

 

私の外見からは想像できないかもしれないが、『石橋を叩いて渡る』という性格の私は、『中国』という国の雰囲気にビビりまくって、文字通り『石橋を叩き過ぎ』た。

 

その結果、これまでに何度も何度も、頑丈であったはずの石橋を、ことごとく粉砕してしまっていたからだ。。。

 

まぁしかし、そのお陰もあって、なんとか鉄筋コンクリート製の橋の様な『頑丈な架け橋』を作り上げることが出来た。

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結果的に、この4年間で何度も上海の街を訪れた。

 

上海の街がめまぐるしい勢いで発展を遂げる移り変わりを楽しめたのも、これまた貴重な経験だった。

10月頭からはシンガポールへ。

 

かれこれ2007年から数えて10年以上、毎月1週間をシンガポールで過ごしている。

今ではシンガポールで最も有名な観光名所となった、屋上にプールがあるホテル、『マリーナベイサンズ』でさえも、当時はまだまだ建設中で、当時の噂話では、屋上部分はプールではなく公園になるという話題で持ちきりだった。

 

 

このシンガポールも上海と同じく、ここ10年での街の発展や、環境の変化というものには、めまぐるしいものがあった様に思える。

 

10月半ばにロンドン入り。

 

伝統と格式を感じさせるロンドンには、2014年に会社を設立し、それ以降からは年に4回ほど訪れる様になった。

 

憧れの街『ロンドン』は、いつしか自分にとって、憧れではなく、当たり前の街になった。

 

ある意味で『ワクワク感』と言うものは無くなってきたし、街の空気感に臆することも無くなった。

 

まるで自分の街の様に、当たり前のようにドーナツとコーヒーを片手に街を歩いたり、自転車でどこまでもフラフラと移動したりしている自分が、滑稽であり、頼もしくも感じる。

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それから一旦、東京に戻り。。。

 

そしてまた台湾へ。

 

この1ヶ月で、4カ国目(日本も入れれば5カ国目)となった。

 

実は、台湾への思い入れもかなり強い。

 

かれこれ10年ほど前にも、台湾進出を企てていた事があったのだ。

 

その時も、1年間ぐらい毎月3〜4日ほど台湾を訪れていたのだ。

 

社員を1人台湾のヘアサロンへ出向させて、オープンのチャンスを伺っていたのだが。。。

 

なんとその彼が、台湾ヘアサロンのスタッフと殴り合いの喧嘩をしてしまい、その計画もご破算に。。。

 

それ以来、台湾を訪れる事もめっきり無くなっていた。

 

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しかし、ここにきて、また新たに台湾進出への足がかりができたことで、台湾進出が一気に現実味を帯びてきた。

 

今回は『アーバンリサーチ台北』のご協力の元に、ポップアップショップとして1週間ほどヘアサロンをオープンさせた。

 

いわゆるトライアルである。

 

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台湾の街並みは、10年前と差ほど変化していなかったが、そこに暮らす女の子たちの可愛さレベルが格段にアップしていた。

 

今回の計画では、ヘアサロンだけに限らず、モデルエージェンシーの機能も備えた会社を設立する予定である。

 

服装やメイク、ファッションという文化的なレベルが向上しているという事は、それだけ生活が向上しているという証でもある。

 

 

そして、大阪。

 

 

私は日本人である。(多分、間違いない。)

 

だが、このように様々な国や都市を周り、そして沢山の人達との交流を続けていくうちに、自分自身の日本人としてのアイデンティティーが壊れていくことを感じていた。

 

つまり、まぁ、俗にいう『日本人らしさ』と呼ばれるものというか、なんというか。。。。

 

まぁ、そういうものの『独自性』が壊れて行ったわけだ。

 

そしてまたそれは同時に、自分のアイデンティティーが新しくなって、生まれているという事も実感している。

 

バージョンアップっていうんかな??

 

とにかく、

 

『壊れる事で生まれるもの。』

 

これが私の財産だ。

 

あんなに堅苦しかった自分の性格は、

今では曖昧でユルユルになった。

 

仕事への取り組み方や考え方も、以前と比べれば、かなり緩くなった。(いい意味で。)

 

周りの人達のいろんな事が許せるようになったし、受け入れることができるようになった。

 

そしてまた、自分も許してほしいとも思うようにもなったし、受け入れてもらえなくても仕方ないと諦められるようにもなった。

 

他人に甘く、自分にも甘くなった。

 

あの『Mr.ストイック』と呼ばれは私はもういない。

 

でも、私は今の自分が大好きだ。

 

世界の価値観や常識が私を変えてくれたし、私もそれを受け入れて来れた。

 

これが何よりの私の財産となったと思う。

 

なにが良くて、なにが悪いといったような話ではなく、ただ単純に、今の自分が大好きなのだ。

 

これからも、私は旅を続けながら仕事をして、たくさんの国の人や。価値観と出会うだろう。

 

そういった環境の中で私は更に変化するだろう。

 

今の自分は過去の自分となり、そしてまた、新しい価値観を持った私が誕生する。

 

人は変わらないという人がいるが、私はそうとは思わない。

 

変われない人もいれば、変われる人もいる。

 

変わらない良さもあれば、変われる良さもある。

 

今、私が私の経験を通して、確信を持って言えることがあると知れば、『変わる』ということは、とても素晴らしくて楽しいことだということだけである。

 


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Profile

  • KANTARO美容師/LIM統括ディレクター

    東京、大阪、ロンドン、シンガポール、香港、中国などの世界の各都市を、週ごとに点々と移動しながら働く美容師。『LIM』いうグループの統括ディレクターを務めており、ブランディングやマーケティングを行う。常日頃から『美容師の新しい生き方』を模索しており、50歳でのセミリタイアを夢見ている。いつまで経っても、怠け癖が抜けない、働き者の中年男性である。