Look Book Cook Records No.017

信藤三雄→THE SCOOTERS→OBANDOS→しりあがり寿→ アートのこと

日々のインプレッションを画像と文で紹介するノンスタイルの連載です。

9.19, 2018

桑原 茂一
  • art&culture
  • music
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【 世田谷文学館 】

 

[ ビーマイベイビー Mitsuo Shindo Retrospective ]

 

日本の音楽シーンに革新をもたらしたアートディレクター、
信藤三雄の全貌に迫る展覧会
レコード、CD、ポスター、写真、映像、書など、
展示作品1,000点以上

信藤三雄さんはいつも柔らかい。
目があったその一瞬、
笑顔が溢れ心が緩むのだ。
だから
すべての要因はそこなんだろうな。
カッコイイ!デザインなら
信藤三雄さんというブランド名で、
もう半世紀ほどアートディレクションや
プロデュースの分野で活躍されつづけている要因は、
その柔らかさではないだろうか。

 

一見、鋼のようにみえる精神の中身は
実はふがいない小心者だったりする。

 

柔らかさの中にこそ鋼のような精神があるのだと思う。

 

それは、信藤さんに限らず、
私のリスペクトする友人たちは男女LGBT共に変わらない。

 

その柔らかさの源は、
あらゆる価値観を受け入れる自由さかもしれない。

 

この展覧会で1000点以上の作品が紹介されているということは、
1000人以上の価値観を受け入れ解釈し、
その求めに応じているということだ。

 

そう考えながらこの展覧会を見直すと、

 

心は神社仏閣
はたまた
ジーザス&アラー!

 

と思わず声が出る。

 

私も柔らかい部位はいくつかあるが、
いつしか鋼のように蘇生する時代を待ち望んでいる。

 

うん?
思わず神童三雄とPCが誤字を打った。
あれ?これは信藤三雄さんの自画像だろうか。
若い時代の作品から感じるエモは
年齢を超えて胸に迫るものがある。

 

純粋な魂との邂逅。

 

と言葉にすると赤面するが、
幾度となくそこに立ち戻ることの大切さは
経験値からの回答だ。

 

付け足すなら、

 

決して邂逅できない
童貞時代の感性のように、

 

人生には二度と触ることのできない

 

絶対というものがある。

 

使えない最高の武器。

 

とでも、ね。

“LOVE & PEACE ”
はきっと共有できるはずだ。

と、

 

アートディレクションを
お願いした作品が
この展覧会で紹介されていて嬉しかった。

 

それが「 SMILE ROCK 」 だ。

 

で、アマゾンで検索してみた。
SMILE ROCK 単行本 – 1994/10 小林昭 (著)

桑原茂一氏が代表を務めるフリーペーパー『 DICTIONARY 』を基盤とする総合プロデュースカンパニー〔 クラブキング 〕から1994年に出版された写真集『 SMILE ROCK 』。
( プロデュース: 桑原茂一氏、写真: 小林昭氏、AD: 信藤三雄氏 )|¥ 6500 ほぼ三倍の値段がついていた。

 

小林昭さんはかなり年上の尊敬する写真家で、
ローリングストーン誌の日本版に関わっていた頃に紹介された。
その後、free paper dictionary 発行から6年ほど経って、
この体裁が好きなんだとのことで、
1970年代にアメリカに滞在していた頃に撮り貯めていた写真を
書籍化して欲しいと声をかけて頂いた。
ヒッピー文化のグルーヴを
1994年のクラブカルチャーの世界へ
どう伝えればいいか悩んだが、
以下のような文章を書いた。

 

赤面するが過去は消せない(笑)

そんな勢いに乗り(どんな)ソニーレコードの協力を仰ぎ、
写真集と併せてコンピ二枚を発売した。
その一枚のCDカバーが以下だ。

 

因みに、女の子に見えるが、
男の子がふざけているのだ。

 

つまりこの写真の男の子は

 

完璧にストーンしている。

 

平和は、まずスマイルから、

 

スマイル・ロック。

 

日本のダメダメを元気にするのはハッパかも。

 

みんなでハッパかけろ! とか。

 

 

上記の画像の左端の女性がなっちゃんこと内山奈津子。@MASSEMENSCH

今回で二度目のスクーターズ。
このバンドの選曲カバーする
60年代ガールズ・ソウルの名曲は、
そのまま中学時代の私の愛聴曲ばかりで
なんとも堪りません。

 

今回のステージで驚いたのは、
その昔、
「 オルケスタ・エロチカ&ラス・チチス 」
というDJ&ダンスチーム名で、
ツアーまでやっちゃった仲間がステージにいるではないか。

 

“なっちゃん”の愛称でモテモテだった
アラビア語までこなす才女で、

 

現在は知る人ぞ知るファッション・ブランド
「 MASSE*MENSCH 」
を経営しているとか。

 

いつまでも好きな世界をつづけている友人たちの姿に
ワケもなく感動する。

ダンスは頭の休日だ!

 

で、
悲しいことも 辛いことも 人間不信も
すべて、ふざけ倒せの精神で
ラテンダンスバンドというかDJチームというか、
徹底的に馬鹿をやって、ツアーまでやってみた。
そんな自分の経験から、

 

OBANDOS

 

も、きっとそうに違いないと不覚にも勘違いしていた。
彼らは、やはりアート集団であり、バンドはアートの表現だったのだ。

 

OBANDOS

 

には、5年ほど前に私のイベントにも登場頂いたことが度々あった。
にも関わらず、このことがハッキリ分かったのが
今回のライブパフォーマンスだった。

OBANDOS

 

は、九人編成で、それぞれがオリジナルの楽器を作り演奏する。
ここが味噌で、オリジナルの楽器をそれぞれが好きなように
自由に演奏している。が、
いつの間にか、その不協和音が、
妙な、意図せぬ、衝動の積み重ねに起因するのかどうかは知らぬが、
もう不協和音とは言い切れない
共鳴音と言っておかしければ
素直に音楽になっているのだ。
しかも音楽的?になれば、なるほど、
実は、個人の存在がくっきりと体をなすのだ。

 

で、ハッとして、ピンときて、
これこそ、物心つきはじめた子供達に切に聞かせたい

 

音楽だ。と思った。

 

このライブを体験した子供達がその後に、

 

OBANDOS

 

のメンバーのそれぞれの作品を見ることが出来たら、

 

これは、もう、覚醒。目覚め。悟り。解釈。

 

アートは分かった。と必ずなると思った。

 

美術館に拉致されて、これがアートだ。

 

は、もう駄目! 不能! インポッシブル!

 

アートの始まりは、

 

OBANDOS。

 

つまりアートは人間の赤裸々さのこと。

 

アートは人の数だけ誰にでもあるもの。

 

本来、アートの優劣はない。

 

あるのは受け手の好き嫌いの趣味だけ。

 

もちろん、ビジネスは別ね。

忘れようとしても思い出せない永遠の記憶の一ページがこうして終わった。舞台の上も下もフラットがイイね。

さて、今回の締め。

 

アートのこと、 なんかわかっちゃったよ
アートのことなんか、 わかっちゃったよ

言葉の間によって、句読点の置き方によって、
言葉の意味の受け取り方が随分と違いませんか?

 

「 謙虚と自信 」

 

このバランスが私の日々の命題なんです。
こうして連載中のコラムで
閃き浮かぶ言葉の迷路を綱渡りでもをするかのように
侃侃諤諤 カンカンガクガク ヒザモガクガク
無軌道で気まぐれなヒラメキに翻弄され
常に真摯に向かいたいと自問しながらも
謙虚というよりは、どちらかというと
屁っ放り腰 尻込み 尻込み、尻、しり、
そういえば、OBANDOSのメンバーでもある、しりあがり寿さんのスタンスはまさに

 

「 キングオブ 謙虚 」

 

と尊称してもよろしかったでしょうか。

一見、柔らかいが芯は鋼、
その百万ドルの笑顔の奥底には
決して触ってはアンタッチャブルな
暗黒の闇宇宙が潜んでいるに違いない。
がそんなことは微塵もあ〜りま千里の道も一歩からの慎ましやかさで、
アッハッパ〜と表現する世界に毎回度肝を抜かれる。

劣化することを肯定的に捉える。
駄目を肯定的に跳ね返す。
発想の転換こそがアートの魅力だと

しりあがりさんは教えてくれる。

 

自己顕示欲を持たなければアートの世界では通用しない。

 

なんてことはまったくないのだ。

 

幾つになっても自信がないのは、

 

それもひとつの個性だ。

 

で、再び登場するのが、

「根拠のない自信」

 

 

『 つまり、「 根拠のない自信 」は、自分に対する「 無茶振り 」である。
ほんとうにそれができるか。できるとしたら、どれだけの努力をしなければならないか。
根拠のない自信によってスタートしたら、
その後は、実は慎重さが求められる。地道にやるしかない。
茂木健一郎 twitterより 』

 

 

今日から私の座右の銘は

 

「 根拠のない自信」と「皇居のない江戸 」

 

はたまた「 無茶振り 」。

 

おあとがよろしいようで。

 

 

 

画像・文
初代選曲家 桑原 茂→

 

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Profile

  • 桑原 茂一

    初代選曲家、毎週金曜日夜11時Mixcloud PirateRadio(海賊船)、 創刊1988年 free paper dictionary編集長