Look Book Cook Records No.26

偶然と必然の交じり合う 偶有性の海を泳ぐ

自分の行為は世界に響いている。
(ニーチェの言葉)
すべての行為や運動は不死なのだ。
そして、どんな人間のどんな小さな行為も不死だと言えるのだ。
つまり、実は私たちは、永遠に生き続けているのだ。

12.23, 2018

桑原 茂一
  • art&culture
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EX DRUG AND ROCK’N ROLL

 

1960年代から70年代にかけてヒッピーやミュージシャンたちの間で流行った名フレーズ、
真っ当な人生に背を向け破滅的な生き方に憧れた時代を代弁しているコピーだ。
驚くことに今も変わらずこのコピーを追従している方々も少なくなく存在している。

 

SEX DRUG AND Macintosh

 

80年代の中頃から、特にPOPミュージックの世界で使われた言葉。
というのはまやかしで、87年創刊の、
free paper dictionaryの連載企画で私が勝手に使い始めたフレーズ。
ギターをマックに持ち替え、デザインの徒弟制度なんかクソ食らえ!
MACさえあればなんでも出来るぜ〜!
そんな錯覚に陥るほどMACは時代を変えた。
で、そんなデザイン界に革命を起こす勢いで世界へ羽撃くデザイナー達を
鼓舞し揶揄して使ったフレーズでゴンザレス。

 

Sex, Design, ART, and Rock ’n’ Roll

ARTやDesign に Rock ’n’ Roll と同じエネルギーを感じたギャラリーが
今回の主役だ。
スタッフたちが等しく美しく輝き
ストリートの匂いを失わない

 

「104ギャラリー」

 

その謎に包まれたオーナーの名は、

 

ENZO

 

1972年生まれ。 R.mond inc. 主宰。
PVやCMなどのムービー撮影、雑誌や広告等のスチール撮影、店舗デザイン、
展覧会などのオブジェ製作などあらゆるメディアにおける美術制作を手掛ける。
2013年夏、104GALERIEをオープン。
国内外問わず、独自の審美眼によって精選した作家の展覧会を行っている。

さて、私のいうRock ’n’ Roll という意味は音楽のジャンルのことではなく、
アーティストの表現から強いメッセージを感じること、
しかもそのメッセージの背景には様々な音楽が聞こえてくること。
それは、エレクトロであり、ディープハウスであれ、ヒップホップであれジャンルは意味をなさない。
作家自身の日常に音楽が流れているという意味だ。
私は音楽を選曲する初代選曲家名乗るがウガウガルーガ、
それをあえてクリエイティブな行為だと表明するのはもう避けたい。
えっ?これもクリエイティブな行為じゃないの?なんてほざいていたのは若さだった(笑い)馬鹿さともいう。
長く続けているが、今はただ好きでやっているだけだから、それで十分だ。
話が湾曲したが、音楽、音楽、と叫ぶ時代は過ぎ去り、
生き方そのものの中に音楽が存在するかどうかが大事だと思うようになったんじゃけん。
そう考えれば、あらゆるジャンルのひとやものの中に音楽は流れているわけで、
あえて、これは音楽雑誌です。とか、選曲リストが充実しています〜。それはもういいと思っている。
私の興味は心をふるわせてくれる人との出会いがすべてだ助平ともいう。
その偶有性から、私はfree paper dictionaryを作り、生きる糧として PirateRadio を選曲している。
okanedehanakune.
そんな小さな活動が誰かに響いてくれることを願っている。ちょっと偉そう(笑)。
ついでにワウマン&ゴガママな言い方をすれば、

 

自分の行為は世界に響いている。
(ニーチェの言葉)

ということになる。

 

で、104ギャラリーの画像を紹介する。

 

2018年10月12日(金)から11月25日(日)の会期にて、
ベルリンを拠点に活動するストリートアーティスト、
エル・ボチョの個展「GOLDEN TIMES」。

 

エル・ボチョ|EL BOCHO

 

エル・ボチョは大学でデザインを学んだ後、新聞記事やCDジャケットなどイラストレーターとして活動。ベルリンに移住後、ストリートアーティストとして本格的に活動を始め、「大都市の日常」をテーマに人生への切望と喜びと疑問を投げかける。ベルリンの壁崩壊20周年を記念したCNNインターナショナルによる企画「Go Beyond Borders」(2009年)では、40kmものテープアート作品を発表。高い注目を集めた本作は、のちに、世界最高峰の広告賞の一つである「Clio Awards-Contents & Contact部門」金賞(アメリカ・ニューヨーク/ 2010年)、ヨーロッパで最も歴史ある国際広告芸術祭「Golden Award of Montreux 2010 – Best Use of Media 部門」金賞(スイス・モントレー/2010年)を受賞。その街の歴史や記憶を再認識させる作品により、エル・ボチョはベルリンで最も有名なストリートアーティストの一人として人々に認められ、ドイツ主要都市の他、日本、ロシア、タイ、カンボジア、ベトナム、ブラジル、フランス、イタリアなどで個展を開催、様々な場面で活動している。

http://www.elbocho.net

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


で、実ははすでに free paper dictionary では何度か紹介している。
興味があればバックナンバーを除いて欲しい。

 

104との始まりはPaper Show。173号
http://freepaperdictionary.com/article/toaru173/

 

その続編 174号
http://freepaperdictionary.com/article/paper-show/

 

そして178号
http://freepaperdictionary.com/dic/dic178/

The Thickness of Silence

 

“If thou gaze long into an abyss, the abyss will also gaze into thee.” Friedrich Nietzsche. Perhaps, the most sincere act before painting today is to be silent and remain. To remain in motion, in rotation, in wandering permeability. Aspiring to the multiple in that which we look at; that which is fleeting , changing and formless, that which looks back at us from the cleft, pulsating worlds,
tensating bodies; an identity without a face.

 

Losing g rasp of what is supposed, finding drif t paths and inhabiting the nausea of agitated materiality, the dissolved word, the unmounted eye, becoming the cleft. Or staring into the thickness of the void that only our fingertips allow us to know.

 

What remains is to acknowledge the event before painting , the collective surrender of the multiple within the image, which subsists in that created space and observes us looking at it.

 

This collection of works invites, in discontinuous fugues, to the ritual of death and the convolution of birth, the suicidal act of our own image. To acknowledge ourselves as an event. There, where everything withers

 

Diego Cirulli

深淵を覗き込むとき、深淵もまたこちら側を覗き込んでいるのだ。 「 フリードリッヒ・ニーチェ 」

 

今や絵画の前では、恐らく一心に黙し、留まるほかないのだ。動きのなかに、回転のなかに、漂い混ざりゆくなかに留まり続ける。表象は複数の顔を持ち、その顔たちを見定めようとする間もなく次々に姿を変え、やがてかたちすら消え去り、亀裂のなかから、鼓動する場から、弛緩と収縮を繰り返す身体から我々を見返している。
– 顔のない、主体。

 

世界を理解する術を放棄し、放浪する流れに身をゆだね、あらゆる物質の攪拌と砕け散った言葉と眼窩をなくした目が生み出す吐き気のなかに、虚空の裂け目になる。あるいは濃密な深淵をひたすら見つめてはいるものの、それを知覚できるのは指先だけだ。絵画を前にして残された選択肢は、この現象を受容するほかにない。その絵にひそむ幾つもの顔たちは創造の空間に宿り、顔たちを凝視するその瞳をじっと見返している。

 

ここに集められた作品は自己概念が自らを破滅に至らしめる行為を、途切れとぎれの葬送曲のように、死の儀式と出生の剥き出しの身体性にいざなう。そしてそれは我々が自身をある種の事象として認識する場となる。そこではすべてのものが朽ち果て、すべてが新しいのだ。

 

ディエゴ・シルリ

The Thickness of Silence

 

“If thou gaze long into an abyss, the abyss will also gaze into thee.” Friedrich Nietzsche. Perhaps, the most sincere act before painting today is to be silent and remain. To remain in motion, in rotation, in wandering permeability. Aspiring to the multiple in that which we look at; that which is fleeting , changing and formless, that which looks back at us from the cleft, pulsating worlds,
tensating bodies; an identity without a face.

 

Losing g rasp of what is supposed, finding drif t paths and inhabiting the nausea of agitated materiality, the dissolved word, the unmounted eye, becoming the cleft. Or staring into the thickness of the void that only our fingertips allow us to know.

 

What remains is to acknowledge the event before painting , the collective surrender of the multiple within the image, which subsists in that created space and observes us looking at it.

 

This collection of works invites, in discontinuous fugues, to the ritual of death and the convolution of birth, the suicidal act of our own image. To acknowledge ourselves as an event. There, where everything withers

 

Diego Cirulli

一目惚れは、相手が女であれ、男であれ、LGBTであれ、犬、猫、モノ、…
難しくいうと偶有性というのか、その一目惚れの為に私は生きていると言ってもいい。

 

自分を知ることから始めよう
とニーチェは言う。

自分についてごまかしたり、
自分に嘘をついたりしてやりすごすべきではない。
自分に対してはいつも誠実であり、
自分がいったいどういう人間なのか、
どういう心の癖があり、どういう考え方や反応するのか、
よく知っておくべきだ。
なぜならば、自分をよく知っていないと、
愛を愛として感じられなくなってしまうからだ。
愛するために、愛されるために、
まずは自分を知ることから始めるのだ。
自分さえも知らずして、
相手を知ることなどできないないのだから。

 

(曙光)

 

画像・文・
初代選曲家 桑原 茂→


 

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Profile

  • 桑原 茂一

    初代選曲家、毎週金曜日夜11時Mixcloud PirateRadio(海賊船)、 創刊1988年 free paper dictionary編集長