Look Book Cook Records No.36

LOOK THINK WALK ART パリ探訪 [ 最終回 ]

4.27, 2019

桑原 茂一
  • art&culture
  • travel
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「 A Paris 」

 

À Paris
Quand un amour fleurit
Ça fait pendant des semaines
Deux coeurs qui se sourient
Tout ça parce qu’ils s’aiment
À Paris

 

パリで
愛が咲くとき
それは数週間です
お互いに微笑む二つの心
彼らはお互いを愛しているためすべて
パリで

 

(Google翻訳)

 

ウィキペディアによると、

 

A Paris ・
この曲は1946年にフランシス・ルマルク(Francis Lemarque) の自作自演で発表され、
イヴ・モンタンは1948年から歌っているそうだ。
それにしても今にも発射しそうなほど若い初めて聞くイブ・モンタンの声に驚愕する。
操作ボリュームのない蓄音機(イギリス英語:Gramophone)で聞いたからか、
はたまた、イヴ・モンタンのバカデカイ声がマイクに近すぎてハウリングした録音ミスかプレス・ミスか?

 

確か、イヴ・モンタン Yves Montand は1944年にエディット・ピアフに見出されそのまま愛人関係になっているというから、
ふむ、この声は別れた後かそれとも交際中か?
いづれにせよ、このバリ甘い声にパリの女たちは老いも若きも虜になったのだ。

 

で、イブ・モンタンは66歳の時に彼のアシスタントだった年下のキャロル・アミエル28歳と結婚、
唯一の実子ヴァランタンをもうけた。

 

『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

つまり声の力はある意味生命力の力でもあると思うのであった。

 

さて、蓄音機専用の78回転のアナログ盤は普通のアナログよりもかなり重い。
この際だからとアナログ盤の重量を測ってみたら333g七拍子というわけでもないだろうが、ゾロ目はイカス。

 

その重いシェラック製(英語:shellac)アナログ盤は、ラックカイガラムシ(Laccifer lacca)、
およびその近縁の数種のカイガラムシの分泌する虫体被覆物を精製して得られる樹脂状の物質である。セラックともいい、漢語では「紫膠」という。
『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

蓄音機の言葉の意味は録音機のことであるが、蓄音機専用の78回転のアナログ盤の溝を鉄の針が掻き出すとラッパ型(私物の場合)の巨大なメガホンから音が吹き出します。と言えば分かるでしょうか?原理は糸電話のようなものだそうです。つまり音は空気を慄わすことで生まれるとか。

 

散歩の話が随分と回り道してしまった。
で、パリの魅力は歩くこと。歩けば歩くほどパリの街は反応してくれます。
彷徨う迷う犬も歩けば足が棒になろうともパリの散歩ほど愉快な時間はアリストテレス曰く、
愛というものは、愛されることによりも、むしろ愛することに存する。

ほらね、思わず足が止まりました。100年前の紳士たちはこのような豊満な女性の裸体をどのようなお気持ちで眺め、このような美しいスケべッチを描いたのであろうか?この難問に答えを求める為にもここは形而上学的にこのスケベチックをレンズで形而下的に捕獲することにした。

散歩の目的はあるいは食欲です。時差ボケもあり私のパリの朝は早い。
ボケを補うには生きる為の強い目的が必要です。つまり一途に美味いパン屋へ向かう。確かオープンは7時だったはず。
シマッタ、7時半だったのか、では暗い寒い誰もいない空っぽの街を散歩しよう。この時間ほどパリの街が輝く時間はない。
個人的な感想です。

 

 

 

 

おっ、やっと店が空いたな、うん?私のカメラをじっと睨みつけるこの男性は小野田陸軍少尉ではありません。
ホームレスかもしれません、または、物乞いジブシー集団のメンバーかもしれません。
滞在中に何度かその集団の青年に小銭をお預けしたが、毎日おすそ分けするわけにもいかないので、時には黙って通り過ぎようとすると、
いつもの笑顔と打って変わって能面顔で手を強く前に出して威嚇してくる。この感じはコンビニ前のうんこ座りのヤンキーにガン飛ばされて小遣いをせびられる。のようなものかもしれません。そう彼らは物乞いが仕事なのだ。肉屋や八百屋やパン屋に生まれたことと同じで、その道のプロであろうとする彼らを私はどう受け止めれば良いのだろうか?生きる為の作法は生きてる限り永遠に学ばなければならないのだと空拝む。

さて、パン屋が開いた。寒いので、まず、カフェオレ、俺カフェではない。そして茹で卵、
“ふたつでじゅうぶんですよ。” はブレード・ランナーの屋台シーンでの会話だが、私はひとつで充分だと思うがフランス人は茹で卵は二つ食べるらしい。思ったより皮が簡単に外れる。きっと茹で方にも技があるのだろう、で、頭の白身を外し、とろけそうな黄味の上に丸い棒状のバターをカットして乗せバターと黄味が溶け合う瞬間をつかさず細長く棒状にしつらえたゴマが香るバケットをツッコミとろける卵を掬い舌の奥で味わう。
冷え切った身体を美味い温もりが心までハグしてくれる。そのパン屋内カフェ・イートインは朝7時半から10辺りまでで、ギリギリに行くとキッチンが嫌がるのか、“ 卵ありません” のクールな対応 。うん?もしかしてあなたはパリジェンヌじゃない?なるほど東欧圏からの移民だそうで、厳しい環境をくぐり抜けた女性のキッツイオーラにほっこりたい気分は一瞬にして吹き飛ばされた。“ 世界はおらたちに冷たいんじゃ ” と感じていらっしゃるのだろうか?東欧から来た女性からすれば、まずは私も覚えたフランス語をあんたも喋れ!なのかもしれない。言語と感性の違いをアジア人蔑視と勘違いして受け取ってはいけない。で茹でるだけでどうしてこんなに美味いのか?20年ぶりの検証だったはずの卵の味は幾分劣化していた。もしかしたらパリに住む人には気づかないかもしれないそんな小さな変化も、実は格差社会への怒りを表明する黄色い旗の広がりとも無関係なはずはない。パリに夢の街を追い求める傍観者の私にはそのリアルな空気感はやはりネットからでは分からなかった。解らないと言うことが分かったパリの滞在は生きる元気を見つけたことが最大の収穫だった。人は希望があれば生きていけるのだ。で、卵はまだほんの少し日本より美味いかも。

 

かっこ良くなければ勲章の威力も下がるだろう。そして男は軍服姿が一番カッコいいそうだ。例えるならいつまでも廃れないトレンチコートもその系統だ。ファッションに限らずデザインの力も戦いの場でこそ生かされるのかもしれない。だからこそ、デザインは実は武器でもあることを肝に命じてデザイナーはデザインしなければならない。この人間としての矜持ともいうべきセリフは確か六本木ヒルズのロゴマークを手がけた、イギリス人のデザイナー、ジョナサン・バーンブルックだったと思う。そうそう彼は反消費主義的カルチャージャミングマガジン、『アドバスターズ』のクリエイティヴ・ディレクターでもあったはずだ。
https://www.adbusters.org/manifesto

 

巨大な顔が壁に張り付いている。散歩は思考の整理でもある。東京でも、もっと歩かなければと自責の念にからまれる。

象は種としては人間の先輩である。象は女系家族でメスが種の存続を司ると言われている。
あの大きな足の裏にはセンサーが張り巡らされており50キロ先のことが分かるらしい。
象は集団で行動するので、行き先を決めるのもメスの長老を中心にメスたちが輪になり、全員の了解を得るまでは一歩も動かないとか、
また移動中に仲間たちの死骸に出くわすとそこに止まり、暫くの間、慰霊を葬い弔う、その後目的地へ向かう。
私たちは象というこの地球に生存する種の先輩から学ぶべきことが多そうだ。

 

ガラス製品になぜか目を奪われる。
若い時は分厚くズッシリ、が、年齢と共に華奢で薄くに、そして再び重くズッシリに戻っている。
そこに深い意味など毛頭御座候。

ピカソが好きな理由は、子供が書くような絵を死ぬまで追い求めたから、
というより、ピカソが死ぬまで追い求めたのは青春時代のような恋愛ではなかったか?
つまり、あれほどの天才であっても、絵を描くだけいい。とはならないのですね。
So What !!

親戚のおばさんに会ったような気になるこの画像のシャネルさん。死んでも生きている。
美しい人々がいつまでも永遠に暮らす街がパリの最大の魅力かもしれません。
パリは美しい墓場 チュッと言い過ぎました。つまり、人は死んだからといって何処へもいかないのだと思うのです。
近未来は死ななななない人々たちが増えるそうですが、肉体は死んでもその存在は生きている。そんな生き方へ向かいたいものです。

 

セルジュ・ゲンスブール 作詞・作曲 ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」(原題: Je t’aime… moi non plus)
https://www.nicovideo.jp/watch/sm26499731

 

Parisの街角で青春時代に遭遇した。この街は死人が生きている。アーティストであることの意味が街にある。

このホテルに宿泊する人がいるParis.

パリの黒豹の愛称で呼ばれるお方にお招き頂いたサンジェルマンの老舗ブラッセリーがここ。
夜遅くまでまるで社交場のように賑わっている。ディナー席を確保するのも容易ではないようだが、
その夜、私たちが座った席は、フランスの首相専用席だったとか、、、
味もさることながら、そんなミーハー会話が食事を美味しくするコツだと認識した。
パリの粋、エスプリ、フィロ(愛)ソフィー(哲学)=フィロソフィーをもって上等に生きるのは、
決してお金持ちになることだけではなさそうです。
そう、人の価値をお金で測るのはパリジャンたちには無粋ということだろう。
すべてはパリの街に愛される為に生きる。それ以上に高級な生き方はない。
時代がどんなに変わろうともそれは普遍なようだ。
人に愛される前に人を愛せ!パリの思想(フィロソフィー)の一番美しい言葉だと解釈した。

 

若返る街パリ。もちろんあなたと私次第だが。

その老舗の前に、これぞ正にカフェの老舗、「 Cafe de Flore 」
1885年に誕生したフロールの名前は店のサン=ジェルマン大通り側に設置されている春の女神「フロール」に由来している。とか。
Paris 最後の夜はチョコレート・エクレールを戴いた。
で20年ぶりに分かったのだが、このカフェのショーウインド陳列されているスウィーツは老舗のカフェのお眼鏡に叶うテイストのみがセレクトされ飾られていたのだ。このカフェで作られているのではない。つまり老舗の美術館に選ばれたアート作品と同じように、老舗のカフェに選ばれた栄光のスウィーツ作品だったのだ。そうなんですアートも食もファッションもパリでの街では等しく日々切磋琢磨されるクリエーションのひとつでしかないのです。職業にヒエラルキーはない。あるのは頂上を目指すクリエーションだけ。パリという街の存在こそ人類の遺産そのものである。

 

 

ギャルソンのコレクション選曲を1997年に退いてほぼ20年ぶりのパリを満喫した私が滞在した友人の書庫の図。

私の尊敬するパリ在住のファッション・デザイナー・IRIE のショップのファサード(仏: façade)。

 

free paper dictionary 8月10日発行号でIRIEのART COLLECTIONを紹介させていただく予定。

 

乞うご期待。http://freepaperdictionary.com/

画像・文

 

初代選曲家 桑原 茂→


 

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Profile

  • 桑原 茂一

    初代選曲家、毎週金曜日夜11時Mixcloud PirateRadio(海賊船)、 創刊1988年 free paper dictionary編集長