Look Book Cook Records No.37

TEA CEREMONY Tom Sachs

現代美術の作家、トム・サックスが茶道をテーマにした展覧会
「 TEA CEREMONY 」とは、
一体どのようなものだったのだろうか?

5.10, 2019

桑原 茂一
  • art&culture
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“茶道(さどう、ちゃどう)は、日本伝統の湯を沸かし、茶を点(た)て、茶を振る舞う行為(茶の儀式)。
また、それを基本とした様式と芸道。”
引用元:ウィキペディア

 

芸道(習い事)
江戸時代も盛んだった習い事は玉の輿に乗る為の準備でもあったとか。また、日本では6歳の6月6日より習い事を始めるのが良いとされています。うん?666オーメンではなかったっけ?魔導でもいい。その所以は世阿弥の風姿花伝と日本人の遊び心が大きく関わっているのだそうです。

 

で、私のファースト・インプレッションは、
「 テーマの対象を茶化すプロの遊び人に粋な笑いで簀巻きにされ東京湾に沈められた..という印象だった。 」

 

(【茶化す】 冗談のようにしてしまう。からかう。また、冗談のようにしてごまかす。)

 

で、「TEA CEREMONY」とは勿論茶道のことだが、500年の伝統美と機能重視から生まれる昨今のデザインの組み合わせが、どこかブラックな笑いを誘うから、すっかりはしゃいでしまったが、トム・サックスの粋な計らいで茶道のある側面に光を当て遊び倒したことで、ほっとけば保守化する伝統文化に、ヒップホップやスケボーやNASAを世界に送り出した消費社会の突端に位置する国アメリカ、そのアメリカ人の知性と感性から日本文化がメイキング・ラブされた歴史的現場に私も立ち会った気分と言えば人聞きが悪いが、なぜ私たち日本人は常に黒船の襲来を待つのか?と自問自答したり、はたまた加工貿易や加工文化のお株をいとも簡単に奪われ、トム・サックスに茶道のバージンも手篭めにされたけれど意外と私は気持ちよかった。なんて、目を覚ませ日本人!その前においら・で、実際に拝見したのは六本木の小山登美夫ギャラリーと新宿のオペラシティーギャラリーの二箇所。
そして小山登美夫ギャラリーで、トム・サックスの今回の展覧会カタログとトランプを購入した。

( TEA CERWMONY MANUAL より )

トム・サックスさんの高価な展覧会マニュアルを清水の舞台から飛び降りる思いで購入した事で、
如何に私が愚かな視点でしか現代美術を見ていなかったかを思い知らされることになった。

 

例えば、MANUALの英語の文面をG翻訳すると以下のような言葉に幻惑されることになる。

 

In the Japanese tea ceremony ceremony light things are handled as though heavy and heavy things as though light.

 

Isamu Noguchi

 

日本の茶道では、軽いものは重いものとして、重いものは軽いものとして扱われます。

 

イサム・ノグチ

 

これはもしかしてトンチ?

 

違います。

 

じっくり考えることが現代美術の真髄であり茶室を宇宙に変え NASAへも繋がるのでありんす。
とはいえ日本語のよくわからないはずの トム・サックス が自由闊達に茶道を遊び倒すのに対し、
日本語が分かっているからといって自国の茶道をまったく知らないアチキが展覧会の印象を騙るのだからどう考えても正しい事は何もお伝え出来ない事を承知でお読み頂きたい。

 

ではもう一度、トム・サックスが引用した イサム・ノグチ 様のお言葉 2 を引用したいと思います。

 

“To be hybrid anticipates the future.”

 

Isamu Noguchi, 1942

 

No statement better explain why why Tom Sachs culture of space disjunctions) -under

 

「ハイブリッドになることは未来を予測する」

 

イサム ノグチ 1942年

 

トム・サックスの空間選言の文化を説明する文はありません。

 

これは展覧会カタログからの引用です。

 

ハナっから分かりにくいが、そもそもお現代お美術はお分かりにくいのが魅力だとお考えになったりします?
実は私もこのトヨタ車では馴染みの「ハイブリット」◯C Isamu Noguchi, 1942 を知ってようやくこの展覧会の入り口に立てた気分になりました。勿論分かったと言う意味ではありません。

 

ではもう少しカタログを開いたり展覧会の思い出を探ってみたいと思います。

( TEA CERWMONY MANUAL より )

さて、この床の間をじっくりみていただきたい。

 

この床の間の前で、アメリカ人の父親がアメリカ人の息子にこう言う。

 

“ 私は日本の美術が好きだ。だからお前にも日本の美術の素晴らしさを知って欲しい。
さぁ、この床の間の掛軸の前で日本茶でも嗜みながら私の話を聴いて欲しい。”

 

そして茶を飲む間に、こんな黒いマジックでFUJIと上書きした山の画像を広げて見せたりもする。

( TEA CERWMONY MANUAL より )

“これが日本の富士山だ。世界で一番美しい山だ。お前も大人になったら登ってみるがいい。hahaha ”

 

勿論ここまでもここからもすべて私の妄想だが、こんな経験を積んだ少年が青年になって憧れの日本に来たらどうなるのだろうか?

 

そして、その憧れの日本を訪れ、最初に連れて行かれた最新式の風呂屋で見た椅子がこれだったとしたら、

( Tom Sachs トランプ より )

SUKEBE とは何のことか?
日本に古くからある魔法の呪文か?
アメリカ人青年は悩み苦悩する。

 

とはいえ初めての日本訪問を楽しんだアメリカ人青年のアメリカへのお土産はきっとこのようなものではなかったか。
使用方法や目的はともかくその造形に日本の伝統的な美を感じとったのであろうことは想像に難くない。

(新宿オペラシティーギャラリー撮影)

日本でsukebeになったアメリカ人青年が日本で知り合ったsukebeな日本人の友人に送ったアメリカのsukebe雑誌がこれだ。

(新宿オペラシティーギャラリー撮影)

 

「 HUSTLER 」この雑誌をご存知ならお分かりの通り、ある年代の男性には平凡パンチや週刊プレイボーイと同じく郷愁をそそるものがあると聞き及んでおります。

( TEA CERWMONY MANUAL より )個人撮影よ。

これはポルノではありません。
「世界の起源」
と題された歴史的にも有名なギュスター・クールベの絵画作品です。
1866年 油彩 オルセー美術館所蔵

 

詳細は、「 武器になる知的教養・西洋美術鑑賞 」秋元雄二史 著
私も拝読して目から鱗がポロポロしましたのでお勧めします。

「武器になる知的教養・西洋美術鑑賞」秋元雄史 著より

突然、ギュスター・クールベの作品が「 TEA CERWMONY MANUAL 」に現れた。
果たして、トム・サックス の狙いは何か?
次週のこの時間をお楽しみに、と言うわけにはいかないのです。
答えは私には到底分かりませんが、マニュアルの第4章のCEREMONYの巻頭に見開きでドカンと紹介されているので、
もしかしたら、この先はもっと面白いよ!という漫才で言う「つかみ」だったのかもしれません。

 

この後、どかーん!と笑いが来るのかも知れません。

(新宿オペラシティーギャラリー撮影)

小さく、ドカーンでしたね。それにしても、松を綿棒で模写するアイデアに個人的にはいい意味で笑かされました。

( TEA CERWMONY MANUAL より )

ご本人の真面目さが伝わってくるような画像ですね。下駄がなんとも可愛い。
私は真面目で可愛い人が世界を変えてくれると信じています。
まさにトムさんのような粋な人を世界は待っている。多分。
で、真面目な方だけに、この展覧会を観て、反感を感じらる方々の為にはこのような配慮がされています。

WARNING

( TEA CERWMONY MANUAL より )

WARNING I deliberately do not set out in this book to provide theoretical explanations. I restrict myself to describing the essential details of each of the movements and techniques of the tea ceremony in the correct way. This manual will be a checklist of each gesture that we have developed in the studio, leaving competent teachers with the task of interpreting the theory themselves for their students. There is no need to belabor the relationship between discipline and creativity It is possible that some differences with what is taught in Japan and other places where Tea is practiced may appear in my book. I cannot comment further on this, other than to say that “You don’t write ‘God Save The Queen’ because you hate the English people. You write a song like that because you love them, and you’re fed up with them being mistreated.” T. S

 

G翻訳
警告本書では、理論的な説明を意図的に説明していません。 私は自分自身を茶道の動きと技術のそれぞれの本質的な詳細を正しい方法で説明することに制限します。 このマニュアルは私達がスタジオで開発したそれぞれのジェスチャーのチェックリストになるでしょう、有能な教師に彼ら自身の学生のために理論そのものを解釈する仕事を任せます。 規律と創造性との関係を控えめにする必要はありません。私の本には、日本で教えられていることや他のお茶が行われている場所といくつかの違いがあるかもしれません。 私はこれについてこれ以上コメントすることはできません、「あなたはイギリスの人々を憎むので ‘God Save The Queen’を書かないでください。あなたは彼らを愛し、あなたは彼らにうんざりします。 虐待されている」 T. S

 

 

G翻訳が素晴らしく私には理解不能ですが、興味のある方はご自身で翻訳ください。

( TEA CERWMONY MANUAL より )

私の英語の読解力ではこのマニュアルの全貌をお伝えすることが出来ません。ご了承ください。
しかし、千利休とベンジャミン・フランクリンが並列されています。
アメリカ建国の父、奴隷廃止を途中からだが唱えた勇気ある偉人。
そして、一度茶室に入れば人間の身分に上下はなく、茶室という小宇宙の中で「平等の存在」を唱えた粋な人。
トムが茶道を宇宙=NASAとを対比させる意図が私の勝手な解釈ですが、ほのかに感じられます。

( TEA CERWMONY MANUAL より )

 

( TEA CERWMONY MANUAL より )

 

( TEA CERWMONY MANUAL より )

 

INNER GARDEN

 

はて?これはなんの儀式でしょうか?とても神聖なオーラを感じます。
ネイティブ・アメリカンの世界では煙はとても神聖なものだと聞いたことがあります。
アメリカには茶道にも通じる私たちの知らないスピリチュアル(神聖)な儀式があるに違いありません。
しかも・煙の次の画像では、こうした神聖な作法にクレジットカードが使用さているのも新鮮ですね。
もしかしたら、トム・サックスの展覧会が契機になって日本でも広まる新たな流行なのかも知れません。
今後アメリカから伝わる新たな精神世界のムーブメントに期待したいものです。

 

もう、アメリカ文化、待ち切れませんね。

( TEA CERWMONY MANUAL より )

これは欲しいですね。トム・サックス特注の限定 iphone ケースでしょうか?

 

違いますね。多分。

 

茶室に入るならあなたの携帯を ”ここへ仕舞え!” と行っているのかも知れません。
更にもう一歩踏み込んでみると、これは便利なものだ。と洗脳され信じて使ってるうちに、全てを支配されてしまう身の回りのものへ注意深く目を向ける必要がありますのよ。の警告が含まれているのかも知れません。

 

それにしても欲しいケースですね。

トランプは入手しました。
この展覧会の事への理解が深まるとてもクレバーなトランプです。

( TEA CERWMONY MANUAL より )

 

( TEA CERWMONY MANUAL より )

ソチン なんと言う美しい響きでしょうか? 思わず、トムさんと熱い同意の握手を交わしたくなりました。
ソチン で、あなたはどんな音楽を聞きたいですか?
私も ソチン をテーマに選曲しました。

 

MIXCLOUDのmoichi kuwahara PirateRadio で是非お試しください。

桑原 茂→コラージュ

さて、まとめに入りましょう。

 

This is our homemade tea ceremony. We engage the traditions but also de our own to connect with the parts that are meaningful to us and not Traditions provide the best raw material for connecting with peopl is limited to what works for us. In our tea ceremony we take traditions used ev by the rich and fuck with them to make lea our own. Ihis isn’t just art-world-s Robin Hood reverse cultural appropriation. It’s an expanded act. It’s starting with Ta bringing it back to the studio, and making it personal by growing it to be an au expression of our lives. It may be bastardization, but it’s also taking it to the next level. If you think I have to be a black belt to defeat you, you’re wrong …”I don’t k Karate but I know Crazy.” ns but also develop e, but our alle giance thentic Cultural appropriation can be an ugly exploitative act. It’s the rich and powerful stealing from the poor. It’s Vanilla Ice. Even worse when the thing that is stolen w earned by the poor through suffering. Five hundred years before Marcel Duchamp appropriated a urinal to make a sculpture called Fountain, Sen no Rikyu was teaching his boss General Toyotomi Hideyoshi to repurpose bamboo tubes as vases and that it was cool for rich people to dress like the poor. In the sixteenth century the best ceramics were made in Korea. The Japanese abducted Korean ceramicists and forced them to make ceramics in Japan. A generation later, lapan emerged as the leader in pottery. Through stealing, obsession, and development, the art improved. Eventually the Japanese discovered German Leica cameras, and have been making them better and cheaper ever since. We are not academics. We develop and add more of what’s already there: more sex, more drugs, more hip-hop-making explicit what’s implicit. And we shift the terms of respect (you don’t need to study for eight years to be a good guest). Taking something that was developed for PBS and making it NC-17. All while maintaining its sense of purity, harmony, and tranquility.

 

Tom Sachs

 

これが私たちの自家製茶道です。 私たちは伝統に従事するだけでなく、私たちにとって意味のある部分と繋がるために私たち自身の力を注ぎます。伝統は人々と繋がるための最良の原材料を提供するのは私たちのために働くものに限られます。 私達の茶道では、私達は裕福な人たちが使ってきた伝統を取り入れ、彼らとセックスしてリーを私たち自身のものにします。 これは単なるアートワールドのRobin Hoodの逆の文化的割り当てではありません。 それは拡張された行為です。 Taがスタジオに持ち帰り、それを成長させることで個人的なものにし、それが私たちの生活の素晴らしい表現になるのです。 それはろくでなしかもしれませんが、それはまた次のレベルにそれを取っています。 あなたが私を敗北させるために私が黒いベルトでなければならないと思うならば、あなたは間違っています…「私は空手をしません、しかし、私はクレイジーを知っています」。 nsだけでなくeも開発していますが、私たちの好意的な文化的収用は醜い搾取的行為である可能性があります。 それは貧乏人からの金持ちで強力な窃盗です。 バニラアイスです。 さらに悪いことに、盗まれたものが苦しみを通して貧しい人々によって獲得されたとき。 マルセルデュシャンが「噴水」と呼ばれる彫刻をするために小便器を配給する500年前に、千の利休は彼の上司将軍豊臣秀吉に花瓶として竹の管を再利用するように教えました。 16世紀には最高の陶器が韓国で作られました。 日本人は朝鮮人の陶芸家を誘拐し、彼らに日本で陶器を作ることを強制した。 一世代後、lapanは陶器のリーダーとして浮上しました。 盗むこと、執着すること、そして発達することによって、芸術は向上しました。 結局、日本人はドイツのライカカメラを発見し、それ以来それらをより良くそしてより安価にしてきました。 私たちは学者ではありません。 セックス、ドラッグ、ヒップホップを作ることで、暗黙のうちに暗黙のうちに行われるものを増やすことができます。 そして私達は尊敬の条件を変えます(あなたは良いゲストになるために8年間勉強する必要はありません)。
PBS用に開発されたものを取ってそれをNC-17にする。 その純粋さ、調和、静けさを維持しながら。

 

トム・サックス

 

以上は今回の展覧会についてトム・サックスご自身で語ったものの一部です。
翻訳はG翻訳ですので、ご自身で新たに翻訳されることをお勧めします。

 

そして何よりもトムさんの展覧会に出向いてください。

 

小山登美夫ギャラリー

http://tomiokoyamagallery.com/

 

オペラシティーギャラリー
https://www.operacity.jp/ag/exh220/

 

ここまで私の勝手な遊戯にお付き合い頂き誠に感謝でございます。
あっ、忘れるところだった。

( TEA CERWMONY MANUAL より )

私の座右の銘にしたい、そんないい気分です。

 

画像・文
初代選曲家 桑原 茂→

 

Ps: 忘れ物 2  茶道の事、ググってグッときました。

 

秀吉は茶の湯の権威が欲しくて「秘伝の作法」を作り、これを秀吉と利休だけが教える資格を持つとした。
利休はこの作法を織田有楽斎に教えた時に、「実はこれよりもっと重要な一番の極意がある」と告げた。
「是非教えて下さい」と有楽斎。利休曰く「それは自由と個性なり」。
利休は秘伝などと言うもったいぶった作法は全く重要ではないと説いた。


 

▽Look Book Cook Records

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Profile

  • 桑原 茂一

    初代選曲家、毎週金曜日夜11時Mixcloud PirateRadio(海賊船)、 創刊1988年 free paper dictionary編集長