Look Book Cook Records No.42

7.22, 2019

桑原 茂一
  • art&culture
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pictograph

 

ピクトグラムあるいはピクトグラフとは、一般に「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号の一つである。地と図に明度差のある2色を用いて、表したい概念を単純な図として表現する技法が用いられる。様々なマークが数多く存在する。

引用元:Wikipedia

 

多少特殊なピクトグラムを並べてみた。

 

これらに共通するのは、A: 無駄がない。過剰な装飾がない。 顔がない。だから誰でもない。

 

が、言いたいことは誰にでも分かる。

 

これを別の言い方に変えてみると、B: 無駄でもいい。過剰な欲望がいい、顔は綺麗がいい、俺、俺、俺、

 

AとBの違いは、お金だ。

 

お金に執着しない感じが A.

 

お金しか興味がないが B.

 

で、ここから派生したのが、ユニバーサルデザインと呼ばれるものではないか?

ユニバーサルデザインの7原則

The Center for Universal Design, NC State University による。

1.どんな人でも公平に使えること。(公平な利用)
Equitable use

2.使う上での柔軟性があること。(利用における柔軟性)
Flexibility in use

3.使い方が簡単で自明であること。(単純で直感的な利用)
Simple and intuitive

4.必要な情報がすぐに分かること。(認知できる情報)
Perceptible information

5.うっかりミスを許容できること。(失敗に対する寛大さ)
Tolerance for error

6.身体への過度な負担を必要としないこと。(少ない身体的な努力)
Low physical effort

7.アクセスや利用のための十分な大きさと空間が確保されていること。(接近や利用のためのサイズと空間)

Size and space for approach and use

ずいぶん回り道をしたが、今回は、JULIAN OPIE 。
東京オペラシティーアートギャラリー
2019 9月23日まで開催中・

 

ジュリアン・オピーの展覧会を訪れたのは今回が初めてだった。1980年代に青春時代を過ごされた方々にはアート界のスターだそうだ。
https://www.alancristea.com/artists/35-julian-opie/

 

初めて遭遇した印象は、デカイ! 高さ10メートルはあるのではないか? こんな巨大なピクトグラムに遭遇するのは初めてのことだ。

 

すいません、彼の作品はピクトグラムではありません。そんな印象を自分勝手に盛ってしまったので、つい、ピクトグラムとは何か?を解説してしまったのです。
では、この展覧会を楽しむ為に、作家ご本人の言葉をこの展覧会の図録から引用しましょう。

 

作品へのアプローチについて尋ねられ次のように語っている。 「まず、写実的に作ろうとすることが公平に確信できる(と感じられる)ひとつの判定基準です。あとは、その作品を自分の部屋に欲しいか?それとたまに自問するのは、もし神が、自分の作品をひとつ提出するのを許可したら(制作中の作品が)それに値するか?」。

 

神のくだりは、触らぬ神に祟りなし、だが、この作品を自分の部屋に欲しいか?
この問いは、他に替えのきかない別々の顔をもつ確立された個人の共通認識でもあると思う。
私には欲しいものが一作品あった。

 

禅の境地とはこの絵画のような世界をいうのではないか?

 

とはいえ、こんな大きな作品を飾るスペースはないし、もし狭い部屋に飾ったら禅の境地どころか朝から晩まで緊張の連続だろう。
つまり、アンタッチャブル!untouchable 和訳:手を触れてはならない、禁制の、手の届かない、無敵の、無比の、汚らわしい、不可触賤民(せんみん)
そんな高価な作品と寝起きを共にするなんて、高級旅館に宿泊して、アレ?もう三時間経ったよ、一時間5000円だよね、まだ何にもしてないよ、どうする?どうする?そんなカップルの声が聞こえてくる。
そんな話をしたいわけではない。この作品を眺めていると、まるで京都の石庭に佇んでいるような気がしてくる。
そこに石が置いてあるが石ではない。風景画のようだが多分風景ではない。きっと隠された謎があるはずだ、だって現代美術だもんね。
そんな話をしたいわけでもない。引き続き、
展覧会の図録から彼の言葉を引用する。

 

” 僕はかなり色盲に近いので、安全標識で使われるような、原色による強くて鮮烈な色彩のシステムは、個人的にとても読み取りやすいものだし、どういうわけか興奮すら覚える。高速道路の看板や防火設備では、あくまでも機能的なコードとして色が使われる。そこには装飾的な考慮はない。言語として ー 数学として ー の色。でも、色にはそもそも何かを装飾したり喚起したりする性質があるので、目的と効果のとの間にズレが生じている。僕は古代エジプトで葬礼用に作られた木製の動物像をいくつか所有しているのだけれど、特筆すべきは像の底面、つまり人目に触れない部分まで彩色が施されていること。こうした動物像の目的は、死後の世界でも食べ物に困らないようにすることだったらしい。とても実用的なやり方だ。彩色が完了すると、動物像はすぐに放送され、土中に埋められた。僕が描く一枚一枚の絵も、同じような意味で、機能性と理論性 を持つものであってほしい。”

引用元:ジュリアン・オピー(図録より)

一枚の絵を眺めているとき、本当のところ、一体何が起きているのだろうか?認識すること。目は線をなぞる。脳は色やリファレンスに反応する。
距離やマテリアルを読み解き、似ている点に目を光らせ、記憶を辿り、判断を下す。
このやり方は、僕たちが世界そのものを読み込む方法、その内に存在する方法と何ら変わらない。僕たちはそのようにして周囲の状況を経験している。
そのすべてが濃縮され、精錬されることで、一枚の絵が形作られる。ひとたびそうなれば、ー絵を介して何かを見たり読んだりするプロセスがひとたび構築されれればー経験的なリアリティの外部にある言語としてそれを愉しむことができる。もはやそれは、ひとつの事物として世界にあるのではない。一枚の絵になっている。もはや視覚は、単なる生存のためのメカニズムではなく、悦楽を齎すものになっている。

引用元:ジュリアン・オピー(図録より)

 

彼の図録は、まるで数学者・科学者が話しているようでとても勉強になる。これまで感性のみでアートに接してきたが、機能性や理論性を学ぶことでよりアートを深く楽しめるようになる気がしている。気がしているだけだが。そうなんだよ、東京オペラシティーアートギャラリーのある初台にはうまい焼肉屋も店先にワインの空き瓶が並ぶ気になる鰻屋もあるんだよな〜。

 

人類はあらゆる類のテクニックを発明してきた。特定の音色やコードや音階を響かせる、さまざまな楽器。コンポジション、透視図法、コラージュ、反射と重層化、暗示された動きや実際の動きなど絵画を成立させるさまざまなシステム。まさにトリックだ。脳をだまし、欺き、混乱させ、全体のリアリティーから一部を隔離するのだから、でもそれは、トリックだからといって非難されたりしない。それによってこそ、人々にとって読み込みや共有が可能な秘密の場所ーコミニケーションが生起するところーが露見するのだから。僕は太い線を使って絵を描く。扱いきれるギリギリの太さの線を使って。太くなればなるほど、線は具体的な事物に近づいていく。そのような線は、対象のエッジを描写するだけはない。それ自体が、アクチュアルな事物となる。棒みたいに。それを使って何かを描く事はとても難しい。だから色々妥協することになる。指はもちろん、足や首だって締める。太い線は、より張り詰めた存在となり、物体に近づく。何かの描写ではなく、描写対象を示唆するサインとなっていく。

引用元:ジュリアン・オピー(図録より)

 

サインといえば、
今まさに私は命を救うサイン。災害時に一時退避場所を指し示す矢印アート・通称「 アロー・プロジェクト 」に邁進しています。
九月末から渋谷タワーレコード脇、JRガード下壁ギャラリーで壁画の制作が始まります。
参加アーティスト・ミック・板谷・しりあがり寿・伊藤桂司・小町弥・河村康輔・植田工
渋谷を訪れる際にはぜひ作家たちを応援にお越しください。
10月初旬完成予定です。壁いっぱいにアートを描きます。あなたの命を守るアート作品です。渋谷の新たな名所の誕生です。
詳しくは810発行号のfree paper dictionary http://freepaperdictionary.com/

または渋谷アロープロジェクトHP: http://shibuya-arrow.jp/

 

この連載をご覧のあなただけに作品予定の一部を紹介します。

作:しりあがり寿

作:植田 工

作:小町 弥

アートをどう楽しむか?
やはり選曲と同じくいい作品を沢山見ることだと思います。
この連載では、今を感じるアートを楽しく時には苦しく追いかけます。

 

JULIAN OPIE
東京オペラシティーアートギャラリー
2019 9月23日まで開催中です。 ぜひ。

 

で、

 

そうそう、グッとくるBOOK を紹介します。芸術ロック宣言・さいあくななちゃん
この感じ、村上隆さんのパリのギャラリーでも似た作品を拝見しましたが、
ああ、アレね、で、通りすギルのは御法度!
これしか生きていけない!それがロックです。アートもロックだという二十代後半の女性のすざましいエネルギーに元気をもらいました。
生きる元気の踏み絵的作品であり今日のバイブルかもしれません。ある時代はバイブルが宣教伝道師しその後にコカコーラが普及しました。
元気に自分らしく生きる伝道師さいあくななちゃんの後に何が普及されるのでしょうか?企業の利益をもたらせる普及とは間違いなく異なるものでしょうね。ロック・パンク・ニューウエイヴ・ヒップホップ・過ぎ去ればただのジャンルとして仕分けされてしまうものですが、
その渦中は生きることの喜びしかありません。死ぬまで渦中に痛いですね。

 

「芸術ロック宣言」楽しめたことが嬉しかった。

 

どいつもこいつもざまあみろ!と叫んで死にたい。

画像・文 桑原 茂→

 

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Profile

  • 桑原 茂一

    初代選曲家、毎週金曜日夜11時Mixcloud PirateRadio(海賊船)、 創刊1988年 free paper dictionary編集長