MADE IN GERMANY No.01

No.01/adidas(アディダス)

たまたまた社名をドイツ語にしたこともあり、ファッションやプロダクトへの知見からドイツへの興味がふつふつと。自分なりに吟味・収集した記録をつらつらと紹介できたら。

5.11, 2018

エディター/ライター:小澤 匡行
  • fashion
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子供の頃に初めて知ったドイツブランドといえばアディダスです。本社はバイエルン州のヘルツォーゲンアウラハ、この地名を覚えるのに20年かかりました。設立は1949年、創始者のアドルフ・ダスラーが兄のルドルフと共同で靴の製造会社を設立したものの、いろいろ揉めて離れ離れになり、アドルフによりアディダスが設立されました。ちなみにご存知の方も多いとおもいますが、ルドルフはのちにプーマを設立しました。

 

しかし日本のファッションにおいて、アディダスのイメージはフランス。スーパースターもスタンスミスもキャンパスもカントリーもフォーラムも。価値のあるヴィンテージはフランス製です。1959年、アドルフの息子ホーストが、22歳の若さでアディダス・フランス社を設立しました。彼がなかなかやり手で、ドイツ本社が欧州のスポーツ市場だけを考えた旧態依然の経営にくすぶっている間、発展途上のアメリカに目を向けたのがホーストだったのです。アメリカ人のテニスプレーヤーであったスタンスミスとの契約はいい例ですね。そしてファッションとしてのアディダスが日本に紹介されたのは、MADE IN USAカルチャーによるアメリカ経由です。

 

ちなみにドイツ製のアディダスといえばサッカージャージ、またはスパイク、またはインドアシューズがメイン。なのでガゼールやサンバ、スペシャルなどは1970〜80年代の西ドイツ製を今でもひょっこり目にします。

 

最近、興味をもったのは、シャワサンブームで数年前に一躍脚光を浴びたアディレッタ。1972年に誕生した経緯は、ドイツのサッカーチームが試合後に不衛生なシャワールームで履くための靴が欲しいというリクエストでした。しかしこれは僕の知る限り、90年代後半から現在にかけては、すべてイタリア製です。「レッタ」がイタリア語だから、という説が濃厚でしたが、最近、西ドイツ製を古着店で発見しました。ソールにしっかりとMADE IN WEST GERMANYの刻印が。ストラップに型押しされていること、そして東西ドイツ統一の歴史を考えると、1978〜88年の間に製造されたものと推測しています。

僕にとってアディレッタの1番の特徴は、矯正用のフットベッドだと思います。やはりドイツは、健康や矯正に気を使っている国。所詮、シャワー時に履くだけであれば水に強ければなんでもよいと思うのですが、そこはスポーツ選手のアフターケアを考えたアディダスの優しさとプロ意識の高さ。その優れた履き心地が、今も街ばきとして愛される所以かと。そう思うと、アディレッタはイタリアではなく、ドイツの国民性が色濃く反映されたサンダルだと思います。

 

Profile

  • 小澤 匡行エディター/ライター

    千葉県出身。大学在学中に1年強のアメリカ留学を経て、ストリート誌「Boon」にてライター活動を開始。現在も雑誌やカタログの編集・ライティングを手がける。著書に「東京スニーカー史」(立東社)、日本監修版「SNEAKERS」(スペースシャワーネットワーク)がある。