贈り物は突然に。Vol.3

例えば「ありがとうおかあさん」と言いたくなった

人間には「欲」というものがある。食欲、睡眠欲、性欲、そして実は「相手に贈り物をする」という行為も、“あの人の人生に関わりたい”という欲の1種ではないのかと思った。

4.25, 2018

Columnist:Aya Matsuo
  • lifestyle
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ありがとうおかあさん。

私を(僕を)産んでくれて。

 

ありがとうおかあさん。

私を(僕を)育ててくれて。

 

ありがとうおかあさん。

大好きなあの人を誕生させてくれて。

 

ありがとうおかあさん。

仕事帰りに美味しいお酒とおつまみを出してくれて。

 

ありがとうおかあさん。

いつも「前世はおかん」みたいに世話を焼いてくれて。

北海道在住のはしもとこはるちゃんが描いた「おかあさん」

いろんな「おかあさん」にありがとう。

5月13日は母の日。

 

個人的には、毎年母の日も父の日もうっかり(すっかり)忘れがちだが最近は「母(父)の日商戦」も激しく、その影響か、該当日の1ヶ月以上前から街には「感謝を伝えよう」というポップで溢れかえっている。

どうも最近はうっかり忘れることも難しいようだ。

ならば腹をくくって感謝を伝えねばならない人にきちんとありがとうを伝えてみようか。

 

さて、ふと人生を振り返ってみるにあたって、今まで生きてきた中で実にいろんな「おかあさん」にめぐり合ったことに最近気がついた。

産んでくれた人だけではない。育ててくれた人、気にかけてくれる人、毎日を癒してくれる人、友人だけどあれこれ世話を焼いてくれる人、料理上手な行きつけの居酒屋のおばちゃんだって大事な大事な「おかあさん」的な存在だ。

そう、何も「母の日」は戸籍を共にする母だけが対象ではないのだ。

おかあさんみたいな人には、もう全員感謝だ

 

誰しもその人生において様々な「おかあさん」たちがいるから、こうやってなんとか元気で生けていける。そのことに改めて感謝してみよう。

 

 

さてここからが本題だ。いろんな「おかあさん」になにを贈ろうか。

まず、オカンみたいな友人には気を遣わせない程度のものがいい。となると食べ物系か。

日頃の感謝と、これからもぜひ元気で健康で、そしていつまでも自分の世話をして欲しい。そんな(一部黒い)願いを込めて贈るものは。

毎日のように「あれ持った?これ持った? 明日の集合時間は…」などなど声をかけてくれる人には、喉に優しいジンジャーシロップはどうだろう。彼女の声かけなしには生きていけないほどに世話になっているのならばまさにぴったりのものではないか。

食いしん坊な友達ならば、たまごめしセットもいいかもしれない。他人の世話を焼く人は、自分の時間をそのぶん削ってくれているということ。せめて短時間でさっと美味しく食べて欲しい。

 

近所の優しいおばちゃんや、行きつけの料理屋のおかみには。

 

これまた世話焼きの近所のおばちゃんも、そのぶん自分の時間に構わず人のために優しくしてくれる人である。たまには一息ついて欲しい、という願いを込めてハーブティーがいいかもしれない。それにちょっと何かおまけをつけたいと思っていたら、ハーブティーとドライフルーツのセットというものがあった。一息つくとともにたまには自分の時間を大事にしてぜひハーブで美肌にもなって欲しい。

 

仕事に疲れフラフラと帰る道すがら、馴染みの店の明かりが見えるのはそれだけで癒される。

さらに美味しいご飯を作ってくれる名物おかみにはカフェインレスのコーヒーはどうだろう。胃に優しくてコーヒーのあのホッとした味が楽しめるものであれば仕込みの間の休憩にはもってこいだ。

こういった人々は「いつもありがとう」の言葉が何より嬉しかったりするので、価格的にも「ちょっとした感謝の気持ち」が伝わるものがいいだろう。

 

さて、リアルな産みの母・育ての母にはどうしようか。

母の日や自分の誕生日が近くなると「最近新しいネックレス欲しくて」などこちらをチラチラ見てくるような母であればある意味プレゼントを探すのは楽である。またこういったタイプの母親は「プレゼント」を喜んでくれるから、リクエストが予算をオーバーする場合は母の日らしいブリザーブドフラワーなんかでもいいかもしれない。

 

 

問題は「お母さん何もいらない。あなたたちが元気でいてくれればそれだけで(以下、長話)」的な母の場合。ちなみにうちはこのタイプである。

遠慮しているのかと思ってちょっといい服でもあげようものなら喜んではくれるものの「でもね、ものよりあなたたちが元気で(以下略)」なんて小言を一緒にもらったりもする。

 

そんなちょっとあまのじゃく的な母に贈るものは。

 

 

 

 

非常に難しい。

通常の母親なら喜んでくれそうなアクセサリーや化粧品などは先述の小言がもれなくついてくる。

お菓子や調味料もなんというかこの場合はあざとくなる気がする。「母の日じゃなくっても」あげたいものでもあるし、今回のミッションの目的は「母の日」だからこそ贈って喜ばれるもの、だ。

意外性があって、「母の日」だから贈ったんだよという気持ちが伝わるもの。

 

ピコーン!
アイマスク!!

おしゃれなアイマスクはどうだろうか。一応「体のことを気遣っていますよ」という風にも取れるし、わざわざ自分で買う人も少ないから「これもう持ってる」なんてこともあまりないだろう。

意外性のあるものでさらに実用性があるので「ちょっとした、でも気持ちのこもった」感はちゃんと演出できる。

なんでもこれは凍らせて使えるアイマスクだそうで、これからどんどん暑くなる夜にはもってこいだ。

「暑い日に冷やして使うとよく眠れるよ」なんてセリフを添えればあまのじゃくな母もイチコロだろう。

 

 

と、色々考えてみたものの何より大事なことは「相手がどんな風にしたら喜ぶか」とあれこれ考える時間だと思う。毎年の記念日なので別に高いものでなくてもいい。

 

ただ、「“今年の”おかあさん」が喜ぶもの・ことを知るにはその他の364日いかに相手を想うかにかかっている。

 

「母の日」というのは、その364日の集大成であるのかもしれない。

▼まだ母の日のプレゼントが見つかってないよと焦ってきた人はこちら

*一部商品は母の日限定になります

 



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Profile

  • 松尾 彩Columnist

    フリーランスのエディターとしてファッションからアウトドアまで幅広い雑誌・ムック・カタログなどで活動。現在はコラムニストとして主に旅紀行を執筆。また猫についてゆるく語る「ネコテキ」を小学館「しごとなでしこ」にて連載中。夫婦料理ユニット「サイトウのゴハン」レシピ担当。