~On The Road~ 車の生活 Vol.2

Vanlifeとはなにか【前編】

家に住むことを辞め、
車で生活するDJ河合桂馬のVanlifeダイアリー。
(第2話)Vanlifeとはなにか【前編】

11.21, 2018

DJ:河合 桂馬
  • lifestyle
  • travel
Share on

めんそーれ!
私は今、沖縄県名護市にてこのコラムを執筆している。

 

野外フェス「GO OUT CAMP RYUKYU」にDJ出演のため、沖縄県恩納村に3日間滞在していた。フェスが終わったあとは、完全にプライベートで約1週間、1人で沖縄北部をぶらぶらしようという計画である。今日はその2日目だ。

 

今回沖縄には飛行機で来たので、車は無い。

「車の生活」というコラムの連載2回目にして、早くもホテルからお届けしている。

 

「なんだ、河合桂馬は嘘つきなのか」

 

いやいや、【第1話】で先に説明した通り、

行く場所により交通手段を使い分けていて、今回は飛行機だった訳だ。

 

いい機会なので、当コラムのサブタイトルとして掲げている「Vanlifeダイアリー」の、Vanlifeとはなにか?を第2話のテーマとする。

フォスター・ハンティントンという男

Vanlifeを語るうえで、まず説明しておかなければならないキーパーソンが、フォスター・ハンティントンという人物だ。
彼こそがVanlifeムーブメントの仕掛け人である。

 

フォスター・ハンティントンとはどんな人物かということを極めてシンプルに説明すると、

 

勤めていたラルフローレンを辞める

車で生活しながら放浪の旅に出る

旅先で出会った、同じく車で生活する人々の写真を撮る

その写真集
『HOME IS WHERE YOU PARK IT』出版

インスタグラムにて#vanlife のムーブメントがおこる

 

まとめると、

仕事を辞め、生きるために必要なモノ、コトを見つめ直すために車で生活し、そのシンプルなライフスタイルをクールに発信した。

 

その結果、世界中の若者達にVanlifeというムーブメントを巻き起こしたのである。

 

現在は、地元ポートランドの森の中にセルフビルドしたツリーハウスで生活し、その様子を自身のインスタグラムアカウント@fosterhunting にて発信している。
フォロワー101万人という数字が、彼の影響力の高さを物語っている。

 

大御所女性シンガーとキャンパー

Vanlifeは基本的には車で寝る訳だが、
家、ホテル、旅館、民宿や、テントで寝ることもあれば、
野宿することだって構わない。
とにかくその日その日で、自分の好きなところで自由気ままに寝たいということだ。

 

例えば、

 

「キャンプって、テントで寝ることでしょ?」

 

とキャンプ未経験の女子に聞かれたら、

 

自然を愛するアウトドアマンは、

 

「ん〜、まぁ、そうっちゃそうなんだけどぉ、、、」

 

「キャンプの醍醐味は自然との距離が、、、」

だとか、

「満天の星空の下で焚き火を囲みながら、、、」

 

などという説明を、目の前のシティガールが理解してくれる可能性が低いと判断した場合、

 

「そうだよ」

 

と、妥協して答えてしまうだろう。

 

テントで寝るという『行為』だけではなく、大自然の中で生きるという人間の本能的な『精神』を再確認することが、キャンプの魅力だと伝えることを諦めてしまうのだ。

 

 

話をかなり脱線させるが、私がDJとして出演した日本最大級のキャンプフェス「GO OUT JAMBOREE 2014」での出来事。

 

私は自分の出番が終わったので、出演アーティストである某大御所女性シンガーのライブを聴いていた。

 

やはりさすがのオーラで、4月の青空が広がる野外ステージにて、何千人という観客を魅了していた。

 

ライブも中盤に差し掛かったころ、曲と曲の間に、独特のウィスパーボイスで観客にむけてトークをはじめた。

 

 

女性シンガー:
今日はいいお天気で気持ち良いですね〜。

 

観客:
イェーイ!
(盛り上がる)

 

女性シンガー:
ところで皆さん、外で寝てらっしゃるんでしょ?

 

観客:
そ、、そうでーす!
(少し迷いながらも声高らかにレスポンス)

 

 

女性シンガー:
ワンちゃんみたい

 

 

 

観客:
、、、、、。
(フリーズ)

 

このやり取りは私にかなりの衝撃を与えた。 先に断っておくが、女性シンガーを非難するつもりは毛頭無く、むしろカッコいいなぁと思ったぐらいだ。

 

女性シンガーが、「外で寝てるんでしょ?」
と表現した時、その言葉のチョイスに、若干のとまどいを感じた。きっと、他の観客もそうだったであろう。

開催場所である、ふもとっぱらキャンプ場は、標高約800mの朝霧高原に位置し、4月といえども朝晩かなり冷え込むので、野宿することは無理に近い。

 

なので、大多数がテント泊をしている訳だが、
テント泊を、外で寝ているととるか、テントの中で寝ているととるかは、キャンプの経験値によって解釈が異なるはずだ。

 

キャンプ好きにとっては、テントの中で薪ストーブを焚くなどといった防寒対策をしっかり行えば、氷点下でもそれなりに快適に過ごせるということを知っているので、

 

『テント泊=屋内未満・野宿以上』

 

といったところだろう。

 

私は小学生の時、エルちゃんという雑種の犬を飼っていた。当時、犬のご飯といえば、人間が食べた食事の残り物だった。今考えれば、犬にとってはかなり塩分過多だったはずで申し訳なかったが、20年以上前の埼玉の片田舎ではそれが普通だった。

 

しかし、そんなエルちゃんの小屋は木製だった。

 

テントという布切れと、木製の犬小屋を比較した場合、寝床のスペック的には、テントで寝ることは、残飯を与えられていた雑種以下だということになる。

自分が好きなように生きることが大事

こんなまわりくどい話を持ち出して、結局私は何が言いたいかというと、

人の価値観はさまざまなので、自分が好きなことは好きだと躊躇なく言えることが大事だということ。

テント泊未経験で、ましてや虫が嫌いだったり、毎日お風呂に入らなければ気が狂ってしまうようなシティボーイ・シティガールにとっては、

 

『テント泊=屋内未満・犬以下』

 

という認識であり、
それが良い悪いではなくて、お互いのライフスタイルを尊重し、自分が好きに暮らすのが一番だと言いたいのだ。

 

だから私は車で生活している。

 

誤解の無いように言っておくが、私はテント泊も好きだ。

 

少し話が長くなってしまったので、

 

続きは後編にて。

 

 

文・写真:河合桂馬

 


 

▽~On The Road~ 車の生活
vol.1 | vol.2 | vol.3 | vol.4

Profile

  • 河合 桂馬DJ

    2002年、club青山MIXにてHOUSE DJとしてのキャリアをスタート。
    GREENROOM FESTIVALなど全国さまざまな野外フェスに出演し、日本最大級のキャンプフェスGO OUT CAMP最多出演アーティスト記録更新中。近年活動の幅を海外フェスにも広げている。TOYOTA HIACE ウェブCM、KIRIN生茶広告など多数メディアに出演中。