~On The Road~ 車の生活 Vol.3

Vanlifeとはなにか【後編】

家に住むことを辞め、
車で生活するDJ河合桂馬のVanlifeダイアリー。
(第3話)Vanlifeとはなにか【後編】

11.28, 2018

DJ:河合 桂馬
  • lifestyle
  • travel
Share on

河合桂馬にとってのVanlifeとは

 

さて前回の、Vanlifeとはなにか【前編】では、

 

・Vanlifeのキーパーソンはフォスター・ハンティントン

 

・大御所女性シンガーのように、媚びないことが大事

 

・自分が好きなように生きよう

 

ということを沖縄のホテルで書いた。

 

では結局のところ、Vanlifeとはなにかというと、別に辞書に載っている言葉でもないし、明確な定義は無いので、私自身の個人的な解釈としてお伝えしようと思う。

 

「Vanlifeとは、哲学である」
生きるために本当に必要なモノはなにか?
ということを突き詰めて考え、
必要最低限の生活必需品で暮らすこと。

 

カッコつけて言うとこんなところだろうか。

本当の豊かさとはなにか?

私のVanlifeに対する個人的な解釈は、バックパッキングの思想に基づいている。

 

「バックパッキングとは、なにを持っていかないかの策略のことである」

 

この言葉は、
アウトドアマンのバイブルとも言える名著、

 

「メイベル男爵のバックパッキング教書」

 

に記された、有名な冒頭文だ。
この本の初版発行は1982年。大量生産、大量消費を繰り返している物質至上主義社会へ警鐘を鳴らす言葉であった。

「本当の豊かさとはなにか?」

 

ということを自問自答するために、バックパックにテント、寝袋、炊事道具などの生活必需品をつめこみ、文明社会というガラクタとハッタリの世界から逃げ出し、自然の中で自由を謳歌しようということが、この本の著者であるシェリダンアンダーソンの主張であった。

 

私がこの本を手に入れたのはおそらく10年ほど前だったと記憶しているが、この筆者の哲学に心を動かされた。

 

それまでは、いわゆるアウトドアアクティビティとして登山を楽しんでいたが、この本と出会ってからは、山に入る時の気持ちが少しだけ変わった気がしていた。

生きるために必要なものベスト5

ところで、生きるために必要なものを真剣に考えてみたことはあるだろうか?これを読んでいるあなたが人間である場合は、この順位に異論はないはずだ。

 

1位:空気

 

2位:水

 

3位:食料

 

4位:衣服

 

5位:寝床

 

このベスト5と、調理道具などが生活必需品として加わるだろう。

 

Vanlifeをバックパッキングで例えるならば、生活必需品を運ぶバックパックとして、また、安心して眠るためのテントとして、また、移動手段としての徒歩に代えて、車を使用しているということである。

 

なにが言いたいかというと、車を使用するということは手段であって、目的ではないということ。

 

なにも寝床は車だけではなく、テント、友人宅、ゲストハウス、ホテルでもいい。

 

「豊かさとはなにか?」

 

という哲学のもと、家に定住するということを辞め、社会の枠組みから一度外れたところで生活するということに意味があり、それが私にとってのVanlifeなのだ。

 

今回の沖縄旅では毎日テント泊をしようと意気込んでいたにもかかわらず、2日目にしてホテルに泊まっている自分の意志の弱さを正当化するための言葉ではけっして無い。

 

いや、少しそうだ。

KEIMAP【沖縄編】

さて、河合桂馬にとってのVanlifeとはなにかをご理解頂けたと信じて、ここからは今回の沖縄ひとり旅のことを少し書きたいと思う。

 

せっかく日本各地をまわっているので、気に入ったお店などを紹介しつつ、旅日記を備忘録的にアーカイブしたいと思っていたので、
KEIMAP(ケイマップ)(笑)と題して不定期シリーズ化していくことにした。

今回沖縄に来たのは、恩納村で開催されたGO OUT CAMP RYUKYUへのDJ出演のためであった。せっかく沖縄に行くのだから、仕事後も滞在して、ひとり旅しようと計画したわけだ。イベント会場である恩納村のキャンプ場「県民の森」をあとにし、北へ向かうとだけ決めたぶらり旅。

 

旅の初日は名護市の幸喜公園のキャンプサイトで海をみながらテント泊をした。2日目はこの連載執筆のために、という大義名分のもと、名護市内のホテルに泊まることにした。

ホテルのチェックイン時間が15:00からだったので、フロントで荷物だけ預かってもらい、名護市内をぶらぶらと歩いた。

 

市場や、弁当屋、居酒屋が立ち並ぶ商店街に突如として現れる「エルメス」の路面店があったりと、ファッション好きの心も満たしてくれることだろう。

時刻は11:00を少しまわっていた。おなかがすいたので、どこか飲食店に入ろうと探したが、月曜日は定休日のお店が多かった。グーグルマップに頼ろうとしたが、iPhoneの充電が切れていた。インターネットに頼らずに、町の雰囲気、通りの活気を見極めて繁華街を探し、店構えからそのお店の良し悪しを判断するのが旅の醍醐味だ。

 

メインの商店街の奥までいったところに、営業中のラーメン屋を発見した。しかし、せっかく沖縄に来たのだから、ソーキそばが食べたい。

 

自分の旅の嗅覚を信じて、路地裏を歩いた。
すると「沖縄そば」と書かれた黄色いのぼりが目に入った。

 

あった!!

 

はやる気持ちをおさえてお店にたどり着いた。
看板には「中山そば 港店」「自家製麺」の文字。
間違いないと判断して入店。
カウンター席と座敷があり、どこかノスタルジックな雰囲気が旅情をかきたてる。

 

入って左側の座敷に座り、
とても感じの良い女性スタッフさんに

 

・そーきそば(大)¥700

 

を注文した。

ほどなくして運ばれてきたのはそーきそばと、

 

「食べてみてください」

 

とサービスしてくれた

 

・じゅーしー

 

じゅーしーは、しいたけや人参、豚肉などが入った沖縄の郷土料理である炊き込みご飯。

 

まずはそーきそばからいただく。

コシのある平打ちの縮れ麺が特長で、優しい味のスープとの相性が抜群だ。

 

自分の嗅覚に間違いはなかった。
そしてじゅーしーも食べてみた。

 

 

「うまいっ!!!」

出汁がよく効いていて、濃厚な旨味が口いっぱいに広がった。炊き込みご飯好きの私の人生の中でも一、二を争ううまさだ。

食後に、サービスのアイスコーヒーをいただきながら
お店のかたに伺ったところ、
「中山そば」はもともと名護市内の別の場所で営業していたそうで、100席以上もある大型の超人気店だったのだ。

 

しかし、創業者であったご主人が亡くなり、一度はお店を閉めることになってしまったのだが、小さな頃から父親の麺づくりを見てきた息子さんが、父親から伝授された自家製麺の歴史を絶やさぬよう、現在の場所にお店を移転し、2017年6月に営業を再開させたそうだ。

 

ご家族で切り盛りしている客席15席のアットホームな店内はとても居心地が良い。父から継承した自家製麺を、全国、海外に届けられるよう通販サイトを準備中とのこと。

 

お店の規模は小さくなったけれども、
抱く夢は大きくなった。

 

 

持ち帰り用に追加注文したじゅーしーを片手に、
また来ようと心に決めて、お店をあとにした。

文・写真:河合桂馬

 


 

▽~On The Road~ 車の生活
vol.1 | vol.2 | vol.3 | vol.4

Profile

  • 河合 桂馬DJ

    2002年、club青山MIXにてHOUSE DJとしてのキャリアをスタート。
    GREENROOM FESTIVALなど全国さまざまな野外フェスに出演し、日本最大級のキャンプフェスGO OUT CAMP最多出演アーティスト記録更新中。近年活動の幅を海外フェスにも広げている。TOYOTA HIACE ウェブCM、KIRIN生茶広告など多数メディアに出演中。

Information

  • 中山そば 港店

    沖縄県名護市港 1-15-25