
2019年、今年も残すところあと350日をきった。
毎日を大切に、楽しく生きていこう。
昨年からはじまった当連載。
ソローとケルアックを意識して書き始めたつもりが、
前回のVol.5では、ベッド童貞の筆下ろしというテーマで、どぶろっくが歌うclassの替え歌みたいになってしまったが、どうか今年もお付き合い願いたい。
きしむベッド
ベッド童貞を卒業し、
覚えたてのベッドの虜になってしまった、
33歳、夏。
ずっと一緒にいようと決めたけど、、、
やはり、経験を重ねていくと理想と現実のギャップに気づき始める。
木製のベッドに憧れて、ハイエース内のベッドを檜の土台で作成したのだが、経年劣化により歪みがでてきてしまった。
ベッドの高さは、レコードBAGとクーラーボックスがベッドの下に収納できる高さにしたのだが、土台の檜の角材が太すぎ&ベッドの天板の板が分厚すぎで、ベッド上の高さを圧迫していた。
ベッドの上であぐらをかくと、頭がハイエースの天井についてしまうので、ベッドでくつろぐには寝っ転がるしかなく、コーヒーを飲んだり、本を読むのに不便さを感じるようになってきた。
補強の筋交いなども入れていないので、土台のぐらつきが気になりはじめた。
きしむベッドの上で優しさをもち寄れなくなってしまったのだ。
都合のいいベッド
そんなわけで、所有経験ベッド数1台の河合桂馬は、初体験の相手とはお別れする決意をし、新たな恋人探しがはじまった。
おしゃれにVanlifeを楽しんでいる海外の人達のインスタグラムを見て、洋モノも研究した。
使い勝手が良く、見た目も良く、必要ない時はベッドでなくていい。食事とかもできたらいい。こちらが望んだときにいつでも寝られるベッドが欲しい。
「都合のいいベッド」ってやつだ。
都合のいいベッドを迎え入れるために、車内をもっとおしゃれにしたいという欲望も湧いてきた。
ベッドだけこだわっても、おしゃれに見えないのだ。
例えば、
6畳の和室の畳の上にシモンズのベッドをおいても、
おしゃれに見えない。
どうにかおしゃれにみせようと、
畳の上にドンキで買った毛足の長いカーペットを敷いても、
おしゃれに見えない。
さらに、
障子をはずしてニトリのカーテンに変えても、
おしゃれに見えない。
ニッセンで買ったソファにヒョウ柄の布をかけても、
おしゃれに見えない。
シルバーの脚のガラステーブルを黒に変えても、
おしゃれに見えない。
押入れのふすまをはずしてDJブースに改造しても、
寝ながら電気を消せるように長くしたヒモをなくしても、
ブラックライトを取り入れても、
おニャン子クラブのポスターをトレインスポッティングのユアンマクレガーに変えたとしても、
おしゃれに見えない。
そう、ベッドは洋室に置くものなのだ。
ということで、業務車丸出しの簡素なハイエースの車内にいくらおしゃれなベッドを作成しても、カッコよく見えないという結論に至った。
内装から全部変えないとおしゃれに見えない。
よし、やるならとことんやってやろうじゃないか!
理想のVanlifeカーの条件とは
ハイエースを理想のVanlifeカーにカスタムする決意をした。
まずは理想の機能と見た目を考えた。
・内装には本物の木を使用する
・内装に断熱材を入れる
・床にフローリング材を張る
・サブバッテリー(メインのカーバッテリーとは別に、電気を貯めておくもの)を搭載する
・インバーター(サブバッテリーに貯めた電気を家電が使えるようにAC100Vに変換する装置)を搭載する
・ソーラーパネルを搭載してサブバッテリーに充電する
・走行充電器を搭載してサブバッテリーに充電する
・ベッドの土台は金属製にする
・ベッドの上であぐらがかけるようにする
・外装を塗り替える
・室内灯をLEDにする
・室内灯の電力をサブバッテリーから供給する
・車検適合のカスタムをする
ざっと思いついたのがこんなところだった。
自分のDIYレベルでは明らかに経験不足で、1人でこのカスタムを施すことは不可能だとわかっていた。
しかし、ベッド童貞を卒業して調子にのっていた河合桂馬は、週末だけのVanlifeというノーマルプレイでは飽き足らず、次第に車中泊日数が増え、いつしか家に帰らずにこのまま車で生活できたら楽しいだろうなと、アブノーマルなプレイを望むようになってしまったのだ。
こうなったら、
プロの手ほどきを受けるしかない。
理想のVanlifeカスタムを実現するため、
師匠探しの旅がはじまった。
次回 【内装カスタム編】へ続く。
文・写真:河合桂馬