~On The Road~ 車の生活 Vol.12

どうやって生活しているのか?【住居編】

家に住むことを辞め、
車で生活するDJ河合桂馬のVanlifeダイアリー。
(第12話) どうやって生活しているのか?
【住居編】

4.19, 2019

DJ:河合 桂馬
  • lifestyle
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コツコツと書き連ねてきた当連載も12話を迎えたので、
前回までのテーマをおさらいしておきます。

 

「なぜ車で生活しているのか。」vol.1

 

「Vanlifeとはなにか」vol.2/vol.3

 

「どんな車で生活しているのか【車選び編】」vol.4

 

「どんな車で生活しているのか【DIY編】」vol.5/vol.6

 

「どんな車で生活しているのか【内装カスタム編】」
vol.7/vol.8/vol.9/vol.10/vol.11

 

今回からは「どうやって生活しているのか?」というテーマのもと、 河合桂馬の生活の詳細をお伝えしていきます。
はじめのテーマは【住居編】

家無いの?

初めて会う人との会話で

 

「お住まいはどちらなんですか?」

 

という質問はよくあることですよね。

 

しかしこの質問は、別に相手の住まいに興味がある訳ではなく、初対面の人ととりあえず会話を続けるための当たり障りの無いテーマであり、相手の居住地を聞き、そこから何か共通の話題が無いかという会話のキャッチボールでいうところの肩慣らし的な意図があるわけです。

 

「お住まいはどちらなんですか?」

 

「荻窪です」

 

「荻窪ですか!僕が学生時代によく通った定食屋があってですねぇ、」

 

「えっ、それって、◯△食堂ですか?」

 

「そうです!そうです!」

 

「◯△食堂から徒歩5分のところに住んでるんですよ!」

 

こんな具合に、大人という生き物は会話のキャッチボールを徐々に進めていくのです。

 

しかし僕の場合は、

 

「お住まいはどちらなんですか?」

 

という肩慣らし的に緩やかな放物線を描いて飛んできたボールに対して、

 

「車に住んでます」

 

と、いきなり150kmの豪速球で投げ返すことになってしまうのです。

 

相手は、おそらく人生で投げ込まれたことのない豪速球をいきなり受けてしまい、手が痺れながらもなんとかボールを投げ返してきます、

 

「えっ?!家無いんですか?!」

 

「無いです」

 

試合終了!!

vol.1の、河合桂馬の人生年表にて記した住居遍歴は、
埼玉県→東京都→神奈川県
まででした。

 

生まれは母の実家がある静岡県で、育ちは埼玉県。
大学生の頃に都内に引っ越し、結婚を機に神奈川県の茅ヶ崎市に引越しました。始めは賃貸アパートに2年住み、茅ヶ崎の街が気に入り、一戸建てを購入。
その後脱サラをしてフリーランスのDJとなり、全国各地のイベントを車で転々とする生活が始まりました。毎週末、妻と二人で次のイベント開催地に車で向かっているうちに、時間とお金をかけてわざわざ家に帰る必要があまりなくなってしまい、次第に車中泊日数が増えていきました。

 

1年の半分ぐらいを車で生活するようになったころ、ずっと家を空けているのも心配なので、自宅を賃貸にだし、本格的に車で生活しちゃおうかと妻に提案しましたが、さすがに却下されました(笑)。
そりゃあそうですよね。。。
せっかくマイホームを手に入れたのに夫婦で車上生活って、、、
でも、この連載初回の冒頭で書いた通り、僕はソローのように生き方の実験をしたかったのです。

 

〜下記、第一話より〜

 

アメリカの思想家であるヘンリー・デイヴィッド・ソローは、1845年7月4日から2年2ヶ月2日という期間、森の中に自作した小屋に住み、自給自足の生活をおくった。

 

ソローのことを書き出すと止まらなくなってしまうので、今後の当連載で小出しにしていくことにするが、簡潔に言うとソローは、

 

“生きるために本当に必要なものは何か?”

 

という疑問の答えを探るべく、森の中で一人で暮らすというある意味実験的な生活をした。その記録をまとめた彼の著書「ウォールデン 森の生活」を読んだ当時20代の僕は、ひどく影響を受けてしまったのだ。

 

〜引用終わり〜

 

このように、自分もいつか生き方の実験をしたいと願い続けていました。
しかしDJという仕事柄、ソローのように森で暮らし、同じ場所に滞在するということは難しいので、
生活に必要な最低限の荷物を車に詰め込んで、バンライフという車の生活を通して生き方の実験をしたいと思っていました。

 

そして昨年、人生が大きく動き出したのです。

妻の妹夫婦が、三つ子を出産するということで、実家の山形に引っ越しをしました。その妹夫婦の育児サポート役として妻が実家に数ヶ月間里帰りすることになったのです。
この千載一遇のチャンスを逃してはならないと、

 

再度、

 

「あのさぁ、自宅をずっと空けておくのも心配だから、やっぱり誰かに借りてもらうほうがいいんじゃない?」

 

「それもそうだね」

 

キタ〜〜〜〜〜〜!!!!
ついに、妻の承諾という、生き方の実験をするための第一段階をクリアしたのです。
そうと決まったら、妻の考えが変わってしまわぬうちに一刻も早く入居者を探し出さねば。

 

自己所有の不動産は、仲介業者に頼まずとも自ら賃貸借契約を結べることを確認し、自分たちで入居者探しをすると決めた数日後の出来事でした。

 

2018年7月12日、僕は町田でDJをしていました。自分の出番が終わり、妻と、DJを聞きに来てくれた友人(大先輩ですが、、)たちが飲んでいるテーブルに座り、まずはみんなとビールで乾杯。

 

そして友人(大先輩)が開口一番、

 

「桂馬くん、家借りたい!」

 

「えっ!?」

 

まだ自宅を貸すことはほとんど誰にも伝えていなかったので、
思わぬ急展開に驚きを隠せませんでした。

 

僕がDJをしている時、妻が友人たちに、妹夫婦の手伝いのため一時的に山形に帰るということを伝えた流れで、自宅も賃貸にだすと話したら、なんと!!!その友人がちょうど茅ヶ崎で賃貸物件を探していたという奇跡のマッチングが起こったのです。

 

「ぜひお願いします!!!」

 

かくして、秒速で入居者が決定したのであります。

 

ハイエースを授かり(vol.4参照)

 

雑誌連載でカスタムを施し(vol.7参照)

 

家を貸すことが決まった。

 

ついに本格的なバンライフの始まりです。

 

 

ということで、

 

「お住まいはどちらなんですか?」

 

という質問に対する大人的模範解答は以下、

 

「お住まいはどちらなんですか?」

 

「家は茅ヶ崎に所有してるんですけど、知人に貸してるんですよねー」

 

「へー。じゃあ普段はどちらにいるんですか?」

 

「DJという仕事柄、全国のイベントを車でまわってるんですよねー」

 

「面白いですねぇ、現住所はどこになるんですか?!」

 

 

 

次回 Vol.13【住所編】へ続く

 

 

文・写真:河合桂馬

 


 

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Profile

  • 河合 桂馬DJ

    2002年、club青山MIXにてHOUSE DJとしてのキャリアをスタート。
    GREENROOM FESTIVALなど全国さまざまな野外フェスに出演し、日本最大級のキャンプフェスGO OUT CAMP最多出演アーティスト記録更新中。近年活動の幅を海外フェスにも広げている。TOYOTA HIACE ウェブCM、KIRIN生茶広告など多数メディアに出演中。