デザインは「魔法」じゃないし デザイナーは「魔法使い」ではない。

デザインって何なんでしょう?

2.6, 2019

Designer / 京都精華大学非常勤講師:サノワタル
  • art&culture
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ありがたいことにデザイナーとして活動して、
長い月日が経ちました。

 

基本、デザインの仕事は「クライアント」がいて、
初めて成り立ちます。(例外を除き)

なので今日までデザインの仕事を続けていられるのは、
クライアントのおかげです。

 

今回は私が考える「デザイン」について書いてみようと思います。

 

 

デザインは魔法じゃない

クライアントにはいろいろな方がいます。(まあデザイナーもですがw)
時々、デザインを「魔法」のように考えるクライアントがいます。

 

「デザイン」って言葉は魔法のような言葉で輪郭がはっきりせずに、
どの文脈でも使用できる便利な言葉だからかもしれません。

 

私の経験上の話ですがデザインを「魔法」と考えている方との仕事の話は私の場合、
うまく進まないことが多いです。それは私がデザインは「魔法」ではないと思っているからです。

 

 

では私が考えるデザイン・デザイナーとは何なのか?

 

 

デザインするまでのプロセス。これが一番重要です。

先日私が経験した「魔法がかかったのか?」というお話を題材に話を進めます。

 

 

そのクライアントのある商品のデザインをリニューアルして
売り上げが約2,000%になりました。

 

まさしく魔法!!笑

でも、もちろん魔法ではありません。

 

では何か?

 

まず大前提のお話として、この商品の「品質」「味」「価格」などのポテンシャルが元々2,000%の力があったということです。2,000%の力のある商品の単純な見た目、商品の内容、そしてコンセプトをユーザーに分かりやすく、デザインの力で後押ししただけです。

 

つまりクライアントの良い点を見つけて、その部分をデザインを使って反映し改善する事。

 

打ち合わせを進める中で、私はこの商品は「売れる」と感じていました。

しかしクライアントは現在販売しているが、そこまで売れている商品ではなかったので、
私の考え(売れる)とクライアントの考え(売れない)というように大きな溝がありました。

 

この溝を埋め、私の考えている形をクライアントにも
同じようにイメージしてもらう。それがとても大事です。

 

 

そこで最初に着手したのは、意識の違いであったり、
私の考えている着地点を明確にし、自分なりの言葉で説明。

その際に私の言語とクライアントの言語は違うかもしれないので、
翻訳しながら共通の言語でお話しました。

 

 

次に共通のルールをつくります。

 

まず前提として私たちデザイナーが仕事に関わるということは、
クライアントの経済活動を加速させないと意味がありません。

 

ただ難しいのは加速だけでもダメということ。

加速しながらクライアントの見え方もコントロールしていきます。

 

それに必要なのはルールを作ること。

 

・最低限としてまずデザインした商品が売れる事。
・次に売れてからの事。
・最後にこの商品のクライアントの取り扱い全商品の中での位置。

 

以上のようなルールにのっとり進めていきます。

その際に基準として話しやすいのはお金(売り上げ)をルールの中に入れる事。

 

そのルールの中で、
クライアントとしっかり対話、そして最後にデザインをしていきました。

 

読んでもらうと分かるようにこれは全く「魔法」ではありません。

 

魔法であれば、何も考えずに、
制作して売れる。長い間も売れ続ける。

他の商品も売れる。。。

 

そんな魔法があれば教えて欲しいです(笑)

 

 

じゃあデザイン・デザイナーは何なのか?

考えや着地点を明確に言語化し、共通のルールを作り進める。
そしてクライアントと一緒にデザインを作り上げていく。

 

 

この二つの点が今回の魔法ようなデザインが生まれた理由だと私は考えていますし、
いつも意識しながらデザインを進めています。

 

 

デザインは魔法じゃないし
デザイナーは魔法使いではない。

 

 

では何か?

 

 

デザインは商品の力を最大限に後押しする行為。

デザイナーはいつでも第三者の客観的な視点を持つ、お話好きでおせっかいな妄想家。

 

と考えています。

自分ではしっくりきました(笑)

 

 

 

(今回のデザインの題材)

都松庵のひとくちようかん http://www.toshoan.com/?pid=129808815

 

 

※最近、デザインという言葉はとっても広義な意味で使用されているので、
今回の話が当てはまらない「デザイン」もあると思います。

 


 

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Profile

  • サノワタルDesigner / 京都精華大学非常勤講師

    1977年大阪生まれ。東京・大阪・京都の制作プロダクションを経て、2013年に京都にていろいろデザインを設立。同時に事務所機能を追加したカフェの運営をスタート。2017年より、グラフィックデザインを軸に、内装デザイン・ウェブデザイン・パッケージデザインなどの様々な領域のデザインや企画を手掛ける株式会社サノワタルデザイン事務所を設立。