季節の台所仕事 Vol.1

四月のお台所①豆ごはん

つくること、食べることを通して感じる季節の恵み。忙しい日々の中で、ふと心を豊かにしてくれる季節の台所仕事 はじめてみませんか。今回は、春の味「豆ごはん」です。

4.13, 2018

FOOD DIRECTOR / sommelier (wine & olive oil) / organic concierge:MIHO KAWAKAMI.
  • food&liquor
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清明  4月4-19日ころ

あらゆるものが清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔(しじょうめいけつ)」からきた季節のことば。花が咲き、草木が芽吹き、清々しく明るく美しく感じられる春の様子をいいます。

季節というとおおまかには「春夏秋冬」を指しますが、それを6つに分けた「二十四節気」とさらに細かくした「七十二侯」というものがあります。それらの季節の名前は、草木や花、鳥や虫などの生き物、風の温度や陽の光など、自然の変化を表したものが多く、それを聞いただけでその季節の風景や温度感を思い出すようなステキなものです。

あたたかくなってくると桜が咲き、虫たちも活動をはじめます。月日を記したカレンダーがなくても、彼らは自然の変化を感じ取って自分たちのサイクルに沿って生きているのですね。

私は料理家として料理をつくるときにいくつか大切にしていることがあるのですが、そのひとつが「季節に寄り添うこと」です。

今はスーパーやデパートで、1年中同じような食材が手に入ります。それはとても便利なことです。

けれど、「その季節しか手に入らないもの/口にできないもの」のおいしさは、格別です。もともと、野菜も魚も、本当は1年のうちで限られたひとときしか手に入れることはできません。だから、その食べものは、「今年もまたこの季節を迎えられた」歓びを与えてくれる「季節のめぐみ」なのです。

ここでは、そんな「季節のめぐみ」を味わうことができる、折々の台所仕事についてご紹介していきたいと思います。

<四月のお台所①豆ごはん>

豆ごはんの豆は、青エンドウ=グリーンピースです。

実は私は子どものはグリーンピースが苦手で、ピラフやシュウマイの上の豆を丁寧に避けては母親に怒られていました。

収穫のうちのほとんどは冷凍されたり缶詰になってしまうそうで、なんというか、あの生気のないフニャッとしたでも青っぽい豆の味が好きではありませんでした。

けれど、春の豆ごはんとなると話は別です。

青々とした色の鮮やかさ。ほっこりとしたくせのない甘み。

生豆が出回る、今の時期だけのごちそうです。

 

Recipe

豆ごはんの青エンドウ(グリーンピース)は、できればさや付きのものを買ってきてください。豆だけになっているものは便利ですが、鮮度が失われてしまいます。

たっぷり2人分で、さやから出して豆だけで100g。具沢山がいいなら150g入れてもかまいません。

300gのお湯に小さじ1の塩を入れてグラグラ、ほっこりぷっくりと茹ったら豆を取り出しましょう。

茹で汁はごはんを炊くのに使うので、捨てずに冷ましておきましょう。

お米は1合半。研いで、たっぷりの新鮮な水に15-30分浸けておきます。

ザルにあけて水を切り、お鍋か炊飯器に入れます。

冷ましておいた青エンドウの茹で汁を150g、みりんを大さじ1、うすくち醤油を小さじ1入れていつも通り炊きます。

炊き上がったら茹でておいたえんどう豆を加えて全体を切るように混ぜ合わせます。

冷めて少しシワが寄った豆も炊きたてのごはんの熱で、またふっくら。つやつや美味しそうな顔になります。

青エンドウを下ゆでせずに、水加減したお米の中に生豆を入れて一緒に炊く方法もあります。これはこれで美味しいのですが、豆が少し茶色っぽく仕上がります。私は、今の季節ならではのみずみずしい顔をした豆が好きなので、一手間ではありますが別に調理するようにしています。炊きたてはもちろん、おむすびにしても美味しいですよ。

 

ぜひチャレンジしてみてください。

Profile

  • 川上 美穂FOOD DIRECTOR / sommelier (wine & olive oil) / organic concierge

    料理家、フードディレクター、ソムリエ。国内外のレストランでの経験を経て、独立。食のスペシャリストとして書籍・雑誌、企業webなどメディアを中心に活動。イタリアンと和食をベースにしたシンプルでストーリーのあるレシピとスタイリングに定評がある。近年は、レストランプロデュースや商品開発アドバイザーなど、多彩な経験と知識をもとに活動の場を広げている。

    2014年、目黒区東山にプライベート・レストラン「quinto」をオープン。2015Louis Vuitton city guide TOKYO版掲載など注目を集めると共に、同名で食を中心としたライフスタイルブランドをスタートしている。