2019.04
特集 雲のまにまに神を見る 出雲

DAY2 天と地と俺が繋がる!温泉〜黄泉比良坂〜出雲民藝館

2日目。朝から勢い余って〝出雲市〟を飛び越えちゃった!? 夏目くんが行きたかった神話にまつわるアノ有名な場所や温泉、そして美味しいものに囲まれて、今日も出雲の神様、感じてます。

4.10, 2019

  • travel
Share on

神話ポイントへちょっと寄り道&ついでに温泉

夏目くんと出雲を旅しようという話になったとき、一番最初に「行きたい!」と言ったのが黄泉比良坂(よもつひらさか)だった。

黄泉比良坂は日本神話であの世とこの世をつなぐ、黄泉の国への入口と記されているところ。

 

「イザナミが死んだ時に、夫のイザナギが会いたくて黄泉の国へ行ったら、変わり果てた妻の姿があって。それを見てイザナギは逃げ出すんだけど、好きな人に会いたくてあの世まで行っちゃう気持ちもわかるし、イザナミが自分の姿を見られたくなくて〝来るなって言ったじゃん(怒)〟って言う気持ちもわかる。この話が好きだから絶対行きたいと思ってた」

 

でも実はここ、出雲市ではなく、現在の松江市東出雲町にある。
出雲括りでの旅だったけれど、どうしても見たい、ということで向かうことにした(大目に見てね)。

出雲駅前から車を走らせることおよそ一時間。

小さな看板が見えてくる。思った以上に控えめ。

石柱にしめ縄がつけられている入口をくぐると、小道はすぐに行き止まりになって、目の前に大きな岩が。

  • 01

  • 02

これが、追いかけてきたイザナミから逃げるためにイザナギが道を塞いだ岩なんだそうだ。

ふと横に脇道を見つけて、なんとなく山へ入ってみることにした。
調べてみると、ここは伊賦夜坂(いぶやざか)というそう。

〝塞の神〟という木札が立てられていて、ここから先は行き止まりに。
塞の神の前を通るときは、石を置いていくという習慣があったそうで、今でもその積まれた石が残っていた。

  • 01

  • 02

「神話の中の物語ってスケールがすごく大きくて、例えば大きな建物とか巨石とかなら、見て〝うお〜〜〟って思うことが多いんだけど、実際に行ってみると案外素朴なところも多いよね。ここも自然そのままの姿で、ちょっと拍子抜けする感じだったけど、そういうところもなんかいいな〜って思った」

「ここが行き止まりです」

黄泉比良坂はなんだかとてもひんやりとした場所で、体の芯から冷えてしまったわたしたちは、その足で温泉へ行くことにした。
ここもまた、旅する前から「めちゃくちゃ気になる」と言っていた出雲湯村温泉にある元湯漆仁(しつに)の湯。

 

ヤマタノオロチの伝説が残る斐伊川上流に湧く温泉だ。

  • 01

  • 02

    02.「ほんとにヤマタノオロチが出てきそう…」

02.「ほんとにヤマタノオロチが出てきそう…」

〝薬湯〟と言われていたり〝腐らない水〟と言われていたり。
はたまた〝シミが取れる〟と言われていたり(わたしともうひとりの編集はここに食いついたけど時間がなくて浸かれず)。

のどかな景色のなかにぽつりとあらわれる元湯漆仁の湯。
実はここも雲南市、出雲を外れてます、すみません。

  • 01

    01.ほんとはおしりチラリのセミヌード写真もあったけど編集部判断により割愛

  • 02

    02.ちょうどいい温度「最高〜」

  • 03

    03.外には無料の足湯コーナーも

01.ほんとはおしりチラリのセミヌード写真もあったけど編集部判断により割愛 02.ちょうどいい温度「最高〜」 03.外には無料の足湯コーナーも

温泉好きで、最近はサウナにもハマっているという夏目くんの「天と地と俺がつながった」状態がこちら(おそらく放心状態的なことだと思われる)。
「ハイパーな状態に入った」とも言っていた。

「お湯が驚くくらいサラッサラで、無色透明ですごくきれいだった。出雲の日本酒みたいっていうか、ガラスみたいに透き通ってた」

出雲の民藝を見に行こう

ライブで全国をまわることが多い夏目くんが興味を持っていることのひとつに、各地の民芸品を集めるというのがある。
島根にも出雲民藝館があり、伺うことにした。

  • 01

  • 02

昭和49年に開館し、今でも昔ながらの風情を残している建物。

出雲民藝館は米蔵を改装した本館と木材蔵を改装した西館に分かれていて、本館では出雲地方の暮らしの道具である藍染めや木綿絣、木工品や陶磁器を、西館では農具や民具などの仕事道具が展示されている。

 

ちょうど伺ったタイミングでは、出西窯を育み、民藝に生きた陶工・多々納弘光氏の作品展示もされていた。

 

民芸品の性質は〝民衆的・実用的・数多く作られるもの・安価を旨とするもの・健康なもの・簡素なもの・協力的なもの・伝統に役立つもの〟。
高価なものがもてはやされたりもするけれど、これらを適えるものが、本当にわたしたちの生活に必要なものとして後世にも受け継がれていくべきものなんだと思う。

 

また築270年の長屋門の一角にある建物を改装したという売店も併設。
出西窯など地元の作り手を中心とした民藝の品々を実際に手に取ることができ購入できる場所として、人気を集めている。

器を吟味。

雨の出雲は…幸運の印?

午後には「陽が傾くころに行くととてもいい景色が見られるよ」と島根出身の友人からもおすすめされていた日御碕神社・出雲日御碕灯台へ。
ここから見える、日本海に沈む鮮やかな夕陽が天照大御神(あまてらすおおみかみ)への信仰につながったと言われているそうだ。

日御碕神社本殿の神の宮には素盞嗚尊(すさのおのみこと)が、日沈宮には天照大御神が祀られている。

参拝を済ませ、近くをふらりと散策。
気の向くまま路地に入ってみる。

  • 01

    01.野良猫との遭遇。

  • 02

    02.イカのカーテン。

  • 03

    03.イカ焼きを買い食い。

01.野良猫との遭遇。 02.イカのカーテン。 03.イカ焼きを買い食い。

途中、神社近くの日御碕灯台(最西端の断崖にそびえてる!)へ向かう撮影隊とはぐれしまって、お土産屋さんで寄り道をしていたら、土砂降りの雨が。

寄り道してる間にゲットしたお土産の温度計(事務所に置いてあるらしい)。

結局夏目くんとわたしは灯台へは辿りつけず、陽が沈むのを見ることもできず、「今日も天気悪かったね〜」と言い合って、夕飯へと向かった。

「なんとなく雰囲気がよさそう!」と言って、道すがら見つけたおでん屋・五郎八へ。

店に入ると、親子で営んでいるという店の方が笑顔で迎えてくれた。
おでん一筋70年続くお店なのだそうだ。

肌寒かったので、各々あつあつの好きなおでんを注文。

  • 01

  • 02

おでんのつゆは色が濃く見えるけれど、味は上品であっさりめ。
そこに味噌ダレがかかっているのがここのおでんの特徴。
いい感じに出汁もしみて、やさしい味わい。
「がんもが一番好き〜」

お店の方が「どこから来たの〜?」と声をかけてくれる。
「東京から仕事で来ました。でも、昨日からずっと天気が悪くて……」。
そう言うと、意外な返事が戻ってきた。
「出雲はね、だいたいいつもこんな天気なのよ。雨が降ると天気が悪いって思うでしょ。でもね、ここでは雨に降られると、神様に迎え入れられてるってことなんだよ」

 

なんだかその瞬間に、出雲に最初に降り立ったときの違和感が、ふわっと軽くなって消えていくような気がした。
それまでは、あんなにいやだな〜って思っていた天気が、うそみたいにいい感じ!と思えたというか。
よそものが突然きちゃってすみません、みたいな肩身のせまい感覚があったけど、ここにいてもいいのかな〜って、肯定された気がしてすごく嬉しかったのを覚えてる。

 

このあと店にきた女性客ふたりからも同じように「雨に濡れてよかったね〜いいことよ」と話かけてもらえた。

 

「地元のひとと話すことができて、ようやく少しだけ、出雲がわかってきた気がする」と夏目くん。

この日の夜は、奥に座るふたりの女性におすすめの蕎麦屋や地元のいろいろを教えてもらって、ホテルへ帰った。

 

あっという間に次回、最終日です。

▼着用アイテム

WORK NOT WORK デニムボイラースーツ (COL:IND)
商品番号:UW94-14U028
¥36,500 (税8% ¥39,420)

Sonny Label ツイルアノラックパーカー (COL:CML)
商品番号:LA86-13S004
¥5,500 (税8% ¥5,940)

Profile

夏目知幸

Instagram
natsumetomoyuki
s_catsarehere

 

ロックバンド・シャムキャッツのボーカル&ギター。
アルバム『Virgin Graffiti』発売中。

 

Tour“Virgin Graffiti”

名古屋公演
日程:4月18日(木)
会場:CLUB QUATTRO
OPEN/START:18:30/19:30

 

東京公演
日程:4月21日(日)
会場:渋谷 TSUTAYA O-EAST
OPEN/START:17:00/18:00

 

沖縄公演
日程:5月24日(金)
会場:output
OPEN/START:19:00/19:30

 

ASIA Tour“Virgin Graffiti”

 

5月17日(金) 香港 MOM livehouse
5月18日(土) クアラルンプール Live Fact
5月19日(日) バンコク De Commune
5月26日(日) 台北 THE WALL

Profile

  • 松本 昇子エディター / ライター

    愛知県出身。雑誌やカタログ、書籍、WEBサイトなどの編集、執筆、ときどきコピーライティングも手がける。

  • 木村 巧Photographer

    1993年茨城県生まれ。在学中より、写真家青山裕企氏に師事。春からURT編集部へ。

Information

  • 出雲民藝館

    〒693-0033 島根県出雲市知井宮町628

    TEL : 0853-22-6397

    開館時間 : 10:00〜17:00 (16:30までにご入館ください)

    休館日 : 月曜日(祝祭日の場合は翌日)/年末年始